コロナ禍で夫の在宅時間が長くなり、夫婦仲が悪くなったという話もよく聞くが、『女性セブン』読者夫婦はちょっと違うようだ。女性読者499人へ実施したアンケート(※)では、夫婦関係に変化があったと答えた人の約8割が「仲がよくなった」と答えている。しかも、「夫のことをいまも愛している」と答えた読者が約75%もいるのだ。そこで、Aさん(40才・主婦)のコロナ禍における夫婦のエピソードを紹介。夫の短所だと思っていたところは長所の裏返しだったと気づいたという。
(※読者にインターネットアンケートを実施。10月28日〜11月4日。20代〜80代の女性499人が回答)
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私は結婚当初、家事ができませんでした。教えてくれたのは高校時代から寮でひとり暮らしをしていた夫。彼は文句ひとつ言わず家事を教えてくれるような、やさしい人なんです。
でも、やさしすぎるのか優柔不断。家を決めるのも車を買うのも全部私が決断。たまには彼に引っ張ってもらいたくて、
「なんでもいい、っていうのは、どうでもいいってことでしょ」
などと一方的に怒鳴ってしまうことも。それでも夫は怒りもせず、悲しそうにするだけ。
しかもつい先日は、家事と乳幼児の育児で私が疲れ果てていると、リモートワークで家にいた夫が、
「今日はぼくが子供たちの面倒を見るよ。少し寝ておいで」
と言って、昼寝の時間をくれたんです。3時間ほど寝て居間に戻ると、なんと子供たちとケーキを焼いてくれていました。
「疲れたときは甘いもの」
と笑う夫を見ていて、そういえば、彼に惹かれたのも、この笑顔だと思い出しました。
大好きな祖母が危篤になったと会社に連絡があり、パニック状態になっていた私に、先輩だった夫が、「落ち着いて」と声をかけてくれ、病院まで送ってくれたのです。お葬式に来てくれた夫の、「つらかったね」とやさしく微笑む姿に救われました。
人には向き不向きがある。だから、夫に不向きの“決断”は私がやればいい。いまはそう思っています。
※女性セブン2020年12月24号