コロナ禍の2020~2021年の年末年始、老親が暮らしている実家に、子や孫が訪れることは老親が感染リスクに晒されることになる。老親と子、孫が一緒に過ごすにあたって気をつけることは何があるか。
「同じ部屋で過ごす場合はマスク着用の上、人と人が2メートル以上距離をあけられるかを目安にしましょう。さらに冬場は乾燥しがちでウイルスが感染力を維持しやすい。1~2時間に5~10分程度、部屋の窓を2か所開けて空気の流れを作ると換気の効率がよくなります。
注意したいのが孫の行動です。小さい子供は乾燥すると、顔をかきむしってしまい、粘膜についたウイルスを拡散させてしまう。鼻の下にワセリンを塗ることで皮膚の水分の蒸発を防ぎ、粘膜の乾燥を抑えられます」(長野保健医療大学の塚田ゆみ子助教)
子や孫の持ち物にも注意が必要だ。
「衣服などの布製品に付着したウイルスは長く生存できませんが、スマホやゲーム機器といったつるつるした面に付着したウイルスは長く生存しています。一緒に遊ぶ場合は、遊ぶ前にゲーム機を除菌し、遊び終わったら手洗いをしましょう。“1行為、1手洗い”が原則です」(塚田助教)
日中は共に過ごしても、夜だけは別行動が望ましい。
「ウイルスの温床になりやすいお風呂は感染リスクが高い老親から入りましょう。入浴時はマスクを外さざるを得ないので孫と一緒に入るのも我慢しましょう。バスタオルの使い回しも危険です。就寝も、いびきや寝相などで知らず知らずのうちに感染リスクが高まるので、家族ごとに別々の部屋で寝るべきです」(ナピタスクリニック新宿の濱木珠恵院長)
接触を断つのではなく、節度を保って、一家団欒を楽しもう。
※週刊ポスト2020年12月25日号