例年よりも家で過ごす時間が多い年末年始。テレビでも観て時間を潰そうと思ってチャンネルをいくら変えても好みの番組が見当たらない……。テレビ解説者の木村隆志氏は、そんな中高年にうってつけなのが「BS番組」だと熱弁する。
「“若者重視”の地上波とは違って、視聴率を狙って作らないのがBS番組の魅力です。地上波番組は分刻みで見所が詰め込まれて、“ここで笑わせよう”といった作り手の意図を強く感じますが、BSは視聴者にゆだねる作りになっています。個性豊かな番組も多く、いい意味で緩いところが大人向けです」
そこで、この年末年始に観たいBS番組を、テレビ通に選んでもらったところ、昭和スターが登場する往年の映画・ドラマなどが多く挙がった。
「自宅でゆっくり時間が取れるこの時期は、往年の時代劇を観るのにピッタリです」
そう語るのはコラムニストのペリー荻野氏だ。なかでも12月30日に放送される映画『忠臣蔵(前編/後編)』(NHK BSプレミアム)はイチオシだという。
「長谷川一夫主演の『忠臣蔵』は浅野内匠頭役に市川雷蔵、赤垣源蔵役に勝新太郎。女優陣も京マチ子、山本富士子、若尾文子などと伝説の名優たちが当時最高の技術で撮られた“昭和の宝”のような作品なので、じっくり堪能してほしいですね」(荻野氏)
同日には浅田次郎原作で、中井貴一と阿部寛が一騎打ちに臨む映画『柘榴坂の仇討』(BSテレ東)、12月31日にも中井貴一主演の『壬生義士伝』(BSテレ東)が放送される。
「時代劇は男気ドラマが多く、人情味のあるやり取りや斬り合わなければならない運命に心打たれます。元日にある東山紀之主演の『大岡越前スペシャル』(NHK BSプレミアム)も、清廉潔白で気持ちのいいお奉行さんを見て爽快な気分になれます」(同前)