「ポビドンヨードを含んだうがい薬で新型コロナの陽性者が減っていく」──。うがい薬「イソジン」を手に取り、吉村洋文・大阪府知事が会見してから4か月あまり。吉村知事の自信はいまも揺るがないようで、11月18日には自身のツイッターでこう発信していた。
〈うがい薬の第二次研究は現在進行中です。来年の1月か2月頃に研究成果が明らかになる予定と聞いています〉
しかし、吉村会見の根拠となる研究を行なった大阪はびきの医療センター・次世代創薬創生センターのホームページには「現在、準備中です。」とあるのみだ。
同センター事務局に聞くと、「11月24日以降、第二次研究を実施しています」と回答したものの、成果の発表時期などは未定という。
ホームページが準備中である理由については「業務多忙のため、コンテンツの整備ができていない」とのことだった。
大阪府に聞くと、「(研究成果について)知事が個人的に聞いているのかもしれませんが、私どものほうでは確認できていません。会見の予定も今のところありません」(健康医療部)。
ポピドンヨードうがいの効果については、もともと吉村知事の会見後、科学的根拠の薄さから日本甲状腺学会など3学会が連名で「重症化予防などの効果は明らかになっていない」「必要量以上に摂取することにより、甲状腺機能に異常がおこることがある」とする見解を示すなど“疑問視”する声は絶えなかった。
さて、効果が実証される日は──。
※週刊ポスト2021年1月1・8日号