コロナ禍により様々な変革が生まれた2020年。こんな時こそ我々に勇気を与えて欲しい多くの男性たちが眠りについた。稀有な才能を持ちながら、惜しまれつつ世を去ったクリエイターたちを振り返る。
●大林宣彦さん(映画監督 4月10日死去 享年82)
CMディレクターを経て、39歳の1977年に『HOUSE/ハウス』で劇場映画デビュー。1980年代に『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾道3部作でその名を上げた。死去から3か月半後、遺作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が公開された。
●ジョージ秋山さん(漫画家 5月12日死去 享年77)
1973年から44年間続いた連載『浮浪雲』では、幕末の庶民の人情味溢れる生活を描いた。一方で、人間の隠しきれない残虐性や性への欲望も作品に昇華。『銭ゲバ』『アシュラ』は過激な暴力描写で物議を醸し、波紋を広げた。
●服部克久さん(作曲家 6月11日死去 享年83)
『ザ・ベストテン』『クイズ100人に聞きました』『新世界紀行』(いずれもTBS系)などのテーマ曲、『ミュージックフェア』(フジテレビ系)の音楽監修などを手掛け、テレビ番組の発展に貢献。山口百恵の引退公演の音楽監督も担当。国民栄誉賞受賞の作曲家・服部良一の長男。
●山本寛斎さん(ファッションデザイナー 7月21日死去 享年76)
日本大学文理学部英文科中退後、コシノジュンコに弟子入り。1971年、ロンドンで日本人初のファッションショーを開催。歌舞伎の華麗な美しさを取り入れた服で脚光を浴びる。和と洋の融合を目指し、デビッド・ボウイのコンサート衣装も手掛けた。
●筒美京平さん(作曲家 10月7日死去 享年80)
『また逢う日まで』『わたしの彼は左きき』『魅せられて』『抱きしめてTONIGHT』などの歌謡曲から『サザエさん』『怪物くん』などのアニメ主題歌まで約3000曲を手掛けた。作曲シングル総売り上げ7560.2万枚(オリコン調べ)は歴代1位。
※週刊ポスト2020年12月25日号