「あの一件があってから夫妻で引っ越してしまったようで、今は息子さん1人で住んでいるみたいです」──黒川弘務・元東京高検検事長の自宅近くの住民はこう話す。
2020年5月、緊急事態宣言中に新聞記者と賭け麻雀をしていた問題で検事長を辞任した黒川氏。
「『ヤメ検』として弁護士になるのではという話がありましたが、弁護士登録された様子はありません。裁判を抱えていたこともあって身動きがとれず、蟄居しているようです」(司法記者)
黒川氏は常習賭博、単純賭博、収賄容疑で刑事告発されたが、東京地検は単純賭博について犯罪行為を認めた上で罪に問わない「起訴猶予」とした。ただ、これで幕引きかといえばそうとは限らない。市民団体が検察審査会に審査を申し立てており、市民が構成する審査会が二度「起訴相当」と判断すれば強制起訴される可能性はある。
そんな黒川氏だが、検察内部にこんな“影響力”を残していた―─。検察事情に詳しいノンフィクション作家の森功氏はこう話す。
「検察官は皆麻雀好きなんです。でもあの騒動が起きてからは自粛せざるを得ない状況になってしまった。実はそれに一番困っているのが林真琴・検事総長ではないかという話がある」
林氏は黒川氏の辞任後、後任として2020年5月に東京高検検事長に就任、7月には検察トップの検事総長に昇格した。
「政権と近かった黒川氏を検事総長に据えるため、有力な検事総長候補だった林氏が外されそうになったのですが、黒川氏が辞任したことにより、念願の総長就任を果たした。
でも、林氏にとって有り難くなかったのが、麻雀ができなくなってしまったこと。林氏も麻雀や賭け事好きで知られていて、海外のカジノにも行ったことがあると聞いています」(同前)