過去70回のNHK紅白歌合戦において“手掛けた楽曲が歌われた回数”を作曲家別に集計したところ、第1位となったのが日本作曲家協会会長の弦哲也氏(87回)。第2位は、2020年10月に亡くなった筒美京平さん(74回)だった。筒美さんが手掛けた楽曲を数多く歌ってきた麻丘めぐみが、思い出を語る。
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デビュー曲の『芽ばえ』(1972年)以降、筒美先生にはアルバム曲も含めて37曲を書いていただきましたが、もともと洋楽好きだった私はお洒落で一歩先を行く先生の曲が大好きでした。
ある時「あなたのいいところは中音から高音にかけての泣き声。それは日本人がとても好きな声なんだよ」と言われたのですが、そこまで考えて作ってくださっているんだと感動した記憶があります。
初出場の紅白で歌った『わたしの彼は左きき』(1973年)は繰り返しのフレーズが印象的な先生ならではのポップス。本番では当時としては珍しかったオーストリッチの衣装を着て歌ったのですが、周りは錚々たる先輩ばかりでしょう? アイドルのはしりだった私は気を遣う場面も多かったのですけれども、出番の前にいしだあゆみさんが「頑張って」と励ましてくれたのが嬉しかったですね。
【プロフィール】
麻丘めぐみ(あさおか・めぐみ)/1955年10月11日、大分県生まれ、大阪育ち。1972年に歌手デビューし『わたしの彼は左きき』などをヒットさせる。現在は女優・歌手として活躍中。
※週刊ポスト2021年1月1・8日号