芸能

のん、主演映画で見せた演技に「宝のような輝き」と高評価

(時事通信フォト)

31歳の独身女性を演じる(時事通信フォト)

 のん(本名および旧芸名:能年玲奈)の約6年ぶりの実写主演映画『私をくいとめて』(全国公開中)が話題だ。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013)で女子高生海女を演じたのんが、31歳のおひとりさま役を演じるところに月日の流れを感じさせる。橋本愛との『あまちゃん』以来7年ぶりの共演も必見だ。

 のんが『私をくいとめて』で演じるのは、おひとりさま生活がすっかり板についた31歳の黒田みつ子役。脳内の相談役「A」に日常のあれこれを話しかけ、自己完結的に楽しい日々を過ごす彼女が、年下の営業マン・多田くん(林遣都)に恋をして……というストーリーだ。

 同映画は、綿矢りさによる同名小説を原作に、大九明子がメガホンを撮った。綿矢りさ&大九明子監督タッグといえば、2017年に各地でロングラン上映された映画『勝手にふるえてろ』が思い出される。こちらの主人公である24歳のOL・ヨシカ(松岡茉優)は、中学時代の同級生“イチ”に特に接点もないまま10年間片思いを続けている設定だった。

 両作品の主人公、ヨシカもみつ子も独り相撲なキャラクターではあるが、みつ子は、独り相撲のテクニックを洗練させることで、むしろ暴走を抑え、穏やかな日常を手に入れることができたと言えよう。そこには、ヨシカの24歳、みつ子の31歳という年齢も関係しているのかもしれない。

 本作でみつ子が見せる「A」との会話はあくまで脳内で繰り広げられるものであるため、のんの演技は実質ひとり芝居に近いものとなる。特に歯科医とのデートに向けて燃える「A」と、いま1歩踏み出しきれないみつ子が勝負服を買いに出かけるシーンは、もはやAとみつ子の一人二役と言ってもいい、のんのくるくる変わる表情が楽しめる。

『私をくいとめて』の最大の見どころと言っても過言ではないのが、のんが表現する怒りのエネルギーだ。一見呑気そうな主人公の内面には、相反するいくつもの感情が渦巻いており、彼女の機嫌の良さというものは、実際は薄氷の上に何とかバランスを取って構築されているものでしかない。劇中では、そんなみつ子の“爆発”も何度か描かれる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン