紀平梨花優勝の裏で、ロシア女子4回転連発の熱き戦い
先日行われた全日本フィギュアスケート選手権女子シングルで、4回転サルコウを成功させた紀平梨花(18)が2連覇を達成した。日本の女子選手が公式戦で4回転を成功させたのは、安藤美姫さん以来、17年ぶりとなる(2002-2003シーズンのジュニアグランプリファイナルで女子シングルとしては初めて成功)。一方、日本が快挙に湧くなか、ロシアでは、さらにハイレベルな戦いが繰り広げられていた。
全日本フィギュアとほぼ同時期に行われていたロシア選手権で、女子の表彰台に乗った3選手が、いずれもフリーで4回転を2回決めたのだ。優勝したシェルバコワ(16)は4回転ルッツと4回転フリップを、2位のワリエワ(14)は2本の4回転トーループを、3位のトゥルソワ(16)は、2本の4回転ルッツという、男子選手でも難しい構成を、コンビネーションも含めて成功させた。
なかでも、層の厚いロシア選手権を3連覇したシェルバコワの演技は圧巻で、ザギトワなど多くの有力選手を育て、その厳しさからロシアでは“鉄の女”と呼ばれるエテリ・トゥトベリーゼコーチが涙を見せるほど。国内大会のため参考記録ながら、ショート・フリー合せて264.10点というハイスコアを叩き出した。
一方、こちらも国内大会のため参考記録ではあるが、全日本フィギュアの紀平の得点は234.24点だった。