1990年代に大ブームとなったヘアヌード。その先駆的存在である樋口可南子の写真集『water fruit』が発売された1991年から、30年となる。これまで、たくさん女優たちがカメラの前で裸体を晒し、世間に驚きを与えてきた。そんなヘアヌード写真集の問題作を振り返る。
●梅宮アンナ『アンナ 愛の日記』(撮影/篠山紀信、新潮社、1995年)
1994年に梅宮アンナと羽賀研二の交際が、続いて羽賀の億単位の借金問題や女性問題が表面化。アンナの父、梅宮辰夫の反対をものともせず2人は突っ走り、「ヘアヌード」ならぬ「ペアヌード」写真集まで出版した。世間は2人を「バカップル」と呼んだ。
写真集の中で勝手に自分の写真を使われた梅宮辰夫は激怒し、版元に肖像権侵害で抗議。これらの過程がすべてテレビ、新聞、雑誌の芸能マスコミに取り上げられた。言わば「劇場型ヌード写真集」となった。4年後、アンナは「愛は消えた」とテレビで告白した。
●葉月里緒奈『Riona』(撮影/篠山紀信、ぶんか社、1998年)
デビュー当初は清純派美少女と呼ばれたが、19歳の時の映画『写楽』で共演した真田広之との不倫が話題に。その際、「相手に奥さんがいたらいけないんですか」の発言で、「魔性の女」ぶりが露わになる。
その3年後、ヘアヌードに。「真田はこの体を抱いていたのか」と男たちの想像力をかき立て、50万部の大ヒット作となった。
●山本リンダ『WANDJINA』(撮影/遠藤正、竹書房、1993年)
自分の楽曲をハウス調にセルフカバーして人気が再燃していた頃に出した、奇抜なボンデージに身を包んだヘアヌード。
ラジオ番組でパーソナリティが「おぞましい」「買ってはいけない」と酷評して訴訟騒ぎになったが、ヘアが写った写真の数は他の写真集より多く、ヘアの面積も広いことがマニアの間で話題になった。
※週刊ポスト2021年1月1・8日号