スポーツ

赤星憲広氏 野村監督に学んだ「盗塁でもキャッチャー見ろ」

赤星憲広氏は野村監督との忘れられない思い出があるという

赤星憲広氏は野村監督との忘れられない思い出があるという

 指導者としての手腕を評価されている故・野村克也さんだが、1999~2001年に監督を務めた阪神タイガースでは3年連続最下位という結果だった。だが、新庄剛志がメジャー移籍するなどして戦力がまったく揃っていなかった当時の阪神においては、その後の礎を築いたとも言われている。プロ入り1年目に野村さんの薫陶をうけた赤星憲広氏が、野球のイロハを教わった野村監督との忘れられない思い出を語った。

 * * *
 あれはプロ1年目の春季キャンプの初日でした。バッティング練習の時に「とにかくキャッチャーを観察しろ。キャッチャーを見ていたら全てが分かる」と言われたんです。僕の課題だったバッティングももちろんですが、盗塁でもキャッチャーを見ろというのです。

 社会人野球ではピッチャーのモーションを盗めば盗塁できると自負していましたが、キャッチャーを観察するとこんなに走りやすくなるのかと気づかされました。配球を学べば、どこで変化球を投げるかもわかって、盗塁成功率が上がる。自分の野球が大きく変わったことを実感しましたね。

 シーズン中、僕はベンチでは野村監督の前に座っていました。すると、後ろから配球のことを話してくださるようになった。それをメモに残していました。

 巨人戦でサヨナラヒットを打った時に、ベンチに帰ったら出迎えてくれて、一言「読み勝ちだな」とボソッと言ってくれた。これは僕にとって最大の賛辞でした。

 1年だけの師弟関係でしたが、その年から5年連続盗塁王の結果が残せたのは、ノムさんのおかげだと思います。

【プロフィール】
赤星憲広(あかほし・のりひろ)/1976年生まれ。野村監督が「F1セブン」と名付けた俊足選手7人の“1号車”として、2001年から5年連続で盗塁王。

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
「2024年に最もドッキリにかけられたダマされ王」ランキングの王者となったお笑いコンビ「きしたかの」の高野正成さん
《『水ダウ』よりエグい》きしたかの・高野正成が明かす「本当にキレそうだったドッキリ」3000人視聴YouTube生配信で「携帯番号・自宅住所」がガチ流出、電話鳴り止まず
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン