2020年大晦日の夜10時前、嵐が活動休止前最後の『NHK紅白歌合戦』でメドレーを歌唱していた頃、裏番組『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)は終盤に差し掛かっていた。
日本中が『紅白』に注目していた21時48分、テレビ東京では黒と緑の市松模様の男が舞台袖から現れた──。2020年にデビュー45周年を迎えた角川博が『鬼滅の刃』の竈門炭治郎をイメージしたかのような衣装で登場したのだ。
思わぬ出で立ちに、ネット上は騒然。角川は世間の声に反応するかのように、『許してください』を歌い始めた。角川の歌唱中、紅白では嵐のメドレーが終わり、LiSAの『鬼滅の刃紅白メドレー』がスタート。NHKとテレ東で、まさかの“鬼滅シンクロ”が生まれた。
絶妙なタイミングで“奇跡”を起こした角川博。思い返せば年末からのハッスルぶりは、注目に値するものだった。
まずは、ゲスト出演した12月25日の『GO!GO!フライデーショー!』(ラジオ大阪/パーソナリティー・大西ユカリ、ヤナギブソン、川田一輝)を振り返ってみよう。登場するや否や、「あけましておめでとうございます」とひとボケをかまし、「テレビで見るより細いですね」と言われると「テレビでは小錦くらいに見える」とふたボケ目に突入。この間、わずか17秒だった。その後、この日が67歳の誕生日だと触れられると、「小さい頃、辛いよ。全部1つにまとめられるからね」と話し、「誕生日、クリスマス、お年玉の3密」と笑わせた。甲子園の常連校である広陵の野球部時代の話題に移っても、角川は手を緩めない。
ヤナギブソン:ポジションはどこだったんですか?
角川博:ポジション? キャッチャーの後ろ。
ヤナギブソン:審判じゃないですか、それ。