1991年に発売された樋口可南子の写真集『water fruit』は“ヘアヌード写真集”のさきがけとなり、宮沢りえの『Santa Fe』がそのブームを決定づけた。ヘアヌード写真集の登場からから30年、これまで多くの女優たちがさまざまなヘアヌード写真集を発表し、世間を驚かせてきた。そんな問題作を、時代とともに振り返る。
●辺見マリ『INFINITO』(撮影/谷口征、竹書房、1993年)
20歳のときのセカンドシングル『経験』での「やめてぇ」と鼻に抜ける歌い方で若い頃からセックスシンボルだったが、意外にもヌード処女が続いた。
2児の母となっていた42歳の写真集では、毒々しい色の大蛇が熟れた白い裸身に絡みつき、ヘアの上を這って股間に潜り込む。その妖艶さが大きな話題を呼んだ。
●細川ふみえ『Fumming』(撮影/篠山紀信、講談社、2009年)
豊満なバストで男の視線を釘付けにした元祖巨乳アイドル。長年「次に脱ぐのはこの人」と期待され“今度こそ”と思いきやギリギリでバストトップを隠してきたフーミンがやっと見せてくれたヘアヌード。張りのある身体を見た長年のファンは狂喜しつつも、「もう少し早く見たかった」の声も。
●川島なお美『WOMAN』(撮影/渡辺達生、ワニブックス、1993年)
文化放送ミスDJでデビューして若い男性に圧倒的な人気を博したが、その殻を破れずにいた。だが、32歳のときヘアヌード写真集を出すと、美しい肢体と官能美が話題になり、55万部の大ヒットに。
これで役の幅も広がり4年後のテレビドラマ版『失楽園』主演につながった。写真集は裁判官だった父の退官を待って出版したという。
●江角マキコ『ESUMI』(撮影/藤井保、リトル・モア、1996年)
バレーボール選手からモデル、女優に転身した異色の経歴に、“ジミ婚”に象徴される「自然体の生き方」で若い女性の教祖的存在になっていた。
いやらしさを排除した彫刻のように美しいヌードも10代、20代の女性に支持され、女性誌が熱心に取り上げた。その一方、男たちからは「これじゃ興奮できない!」と不満の声も上がった。
※週刊ポスト2021年1月1・8日号