芸能

『逃げ恥』4年ぶりも万全 視聴者獲得へ先回りで数々の仕掛け

注目が集まる『逃げるは恥だが役に立つ』のスペシャル(公式HPより)

注目が集まる『逃げるは恥だが役に立つ』のスペシャル(公式HPより)

 4年ぶりのみくりと平匡はどんな夫婦のカタチを見せてくれるのか――。放送前から『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)スペシャルの放送に期待が高まっている。その見どころと、番組サイドが繰り出すリアルタイム視聴につなげる数々の仕掛けについてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 2016年12月20日の最終話から4年あまり。1月2日の21時から、ついに『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』に略)の続編「ガンバレ人類!新春スペシャル!!」が放送されます。

 その内容は、「契約結婚から生まれた恋を経て、みくり(新垣結衣)と平匡(星野源)が結婚を決めてからの日々を描く」「どの夫婦にでも起こりうるさまざまな人生の転機を2人はどう乗り越えていくのか!?」というもの。では、“さまざまな人生の転機”とは何なのでしょうか。

 先行公開されたポスタービジュアルには、赤ちゃんを抱きかかえる2人の姿とともに、「ホルモンバランス」「無痛分娩」「姓名判断」「育休取得ミッション」「(子育てで)VS睡魔」「保活」「職場復帰」「時短勤務」などの出産・子育て関連や、「ディスタンス!毎週火曜のハグは?」「緊急事態宣言」「自粛要請」「パンデミック」などのコロナ関連と思われるキーワードが挙げられています。

 また、「“ある出来事”がみくりと平匡の間を引き裂き、離れ離れの日々を過ごすことになる」という展開が予告されているなど、2時間25分に渡る長尺ドラマだけにその内容は盛りだくさん。脚本を手がけるのは4年前の連ドラと同じ野木亜紀子さんであり、当時も「家事の対価」「多様な生き方の尊重」などの社会派テーマを絡めつつ現在の日本社会をリアルに描いていただけに、続編も期待していいでしょう。

 そして特筆すべきは、放送前のPRがさまざまな角度から徹底して行われていること。放送前の段階からファンを楽しませつつ、リアルタイム視聴につなげるための多彩な策が用意されていることに驚かされます。

放送前からファンを喜ばせる仕掛けを用意

 放送前のPRと言えば、主要キャストが情報番組やバラエティに出演する番宣を思い浮かべる人が多いでしょう。実際、今回の続編でも、昨年12月25日に『あさチャン!』『グッとラック!』『ぴったんこカン・カン クリスマススペシャル』、26日に『王様のブランチ』などで番宣が行われ、放送当日にも『ニンゲン観察バラエティ モニタリング 謹賀新年スペシャル』でのPRが予定されています。

 ただ、このような普通の番宣だけではないのです。

 まず4年前のドラマを「全話一挙放送SP」と題して、1月1日の14時30分~16時30分、2日の5時40分~11時50分と12時~15時に放送。2日21時からの続編放送に直結させるような番組編成で流れを作っています。

 ただ4年前のドラマは、新型コロナウイルスの感染拡大で『私の家政夫ナギサさん』の撮影が止まった影響を受けて昨年5月~7月に『逃げるは恥だが役に立つ ムズキュン!特別編』が放送されたばかり。その終了からまだ半年程度であるにも関わらず、また再放送をする徹底ぶりに、作品への自信と意欲を感じさせられます。

 制作サイドは、さらに下記のような放送前の仕掛けを用意していました。

・TwitterやInstagramで「10月初旬のクランクイン」「12月1日のポスタービジュアル解禁」「津崎家新ハウス公開」などの事前情報を放送3か月以上前からこまめに発信。「放送まで、あと〇日!」のカウントダウンを絡めた投稿は、何度もネットニュースにピックアップされている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
横山剣氏(左)と作曲家・村井邦彦氏のスペシャル対談
《スペシャル対談・横山剣×村井邦彦》「荒井由実との出会い」「名盤『ひこうき雲』で起きた奇跡的な偶然」…現代日本音楽史のVIPが明かす至極のエピソード
週刊ポスト
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン