2020年にレジ袋が有料化され、世間ではエコバッグが大ブーム。主婦を含めて女性たちは、自分好みのお洒落なエコバッグをファッションの一部として楽しんでいる。もともとプラスチックごみの減量を目的とした政策だが、レジ袋はプラごみの2~3%にすぎず、あまり効果は高くないと当初から批判もあった。一方で、有料化によってプラごみ問題への関心が高まるという啓蒙効果を重視する意見もあり、いまだ論争は続いている。
『週刊ポスト』(2021年1月4日発売号)では、その両論について、厚生労働大臣を務めた国際政治学者の舛添要一氏が反対論、帝京科学大学生命環境学部教授の仲山英之氏が賛成論を展開している。どちらも傾聴に値する金言だが、その論争はひとまず本誌に任せるとして、ここでは舛添氏が、同特集で論じなかった「有料化の弊害」を改めて指摘する。
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レジ袋を減らしたところでプラスチックごみの減量化につながらないことは週刊ポストで論じた通りですが、有料化はそれ以外にも問題があります。
有料化によって普及したマイバッグ(エコバッグ)は、コロナの感染拡大につながる恐れがあります。スーパーで買い物する人のなかには無症状の感染者もいます。その人が商品を手に取ればウイルスが付着する可能性がある。レジ袋に商品を入れれば、袋にもウイルスは付くでしょう。これまでなら、たとえそういうことが起きても、次回以降の買い物に同じレジ袋を持ってくる人はいませんから、あまり問題にならなかったけれど、これがマイバッグになると話は別です。ウイルスが付着したままのマイバッグを持って買い物に行ったら、手にもウイルスが付くし、そこから商品にも移る。そうしてマイバッグがウイルスの拡散道具になり、店内にウイルスをばら撒くことになってしまいます。
今ではどこのスーパーでも入口に消毒液を置いて、客は手を消毒してから入店しますが、マイバッグまで消毒する人はまずいません。また、マイバッグを毎日洗っている人もいないでしょう。それに、いちいちレジで「レジ袋をおつけしますか?」と聞かなきゃならないから、マスクをしているとはいえ、その分だけ飛沫は飛んで感染リスクも高くなる。