いよいよ日本でも新型コロナワクチンの接種が始まる。各自治体は2月下旬の接種体制確保を目指し、準備を進めている。副反応への懸念の声もあるが、それをどう考えるべきか。一般社団法人医療ガバナンス学会代表理事の久住英二氏に聞いた。
* * *
海外の新型コロナワクチン接種者から重度のアナフィラキシーショック反応が数例出たこともあり、その安全性に不安を持つ方は多いようです。確かに打つか、打たないかためらっている方々を納得させられるような指針が必要なのは間違いありません。
しかしモデルナ社、ファイザー社、アストラゼネカ社の臨床試験結果からもその有効性は明らか。懸念される副反応(副作用)も、インフルエンザなど従来のワクチンの副反応発生率と大差ありません。アメリカではすでに27万人が接種しましたが死亡者はいません。
そもそもワクチンで重篤な副反応が起こることは、通常の医療行為で重大な副作用が起こる可能性よりはるかに低い。
「ワクチンによる重症化リスク」と「新型コロナ感染による重症化リスク」を天秤にかければ「ワクチンを打つべき」という結論にしかなりません。
ワクチンは100%安全でなければならないという間違った“信仰”を持つ方には考えを改めていただきたいですね。
日本は海外諸国に比べて感染者・死者の報告がそれほど多くない。そのため余裕を持って受け止められていますが、日本では「陽性者が見つかることが悪」だと考えられているため、詳細なデータが集まっていないだけ。実際の感染者はもっと多いでしょう。
日本でもイギリスと同様、変異型ウイルスが発生している可能性は十分考えられます。未知のウイルスだからこそ、ワクチン接種が最善の防衛策です。
※週刊ポスト2021年1月15・22日号