国内

新型コロナワクチンの安全性 高齢者の臨床試験が少なく不安点も

専門家は新型コロナウィルスのワクチンについてどう考える?(AFP=時事)

専門家は新型コロナウィルスのワクチンについてどう考える?(写真/AFP=時事)

 感染拡大を抑えるために、日本でも新型コロナワクチンの接種が始まる。各自治体は2月下旬の接種体制確保を目指し、準備を進めているが、副反応への懸念の声も少なくない。そんな新型コロナワクチンについて、新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦氏に聞いた。

 * * *
 私はそもそも製薬企業の臨床試験自体に大きな疑問を持っています。

 通常、臨床試験は第I相から第III相まで3段階ありますが、今回は時間短縮のため2段階にしている。評価期間も短いため、副反応の確認が不十分です。

 アナフィラキシーショックを起こしやすい子供や高齢者が臨床試験にほとんど参加していない点も心配です。たとえばファイザー社で検査対象となった65~85歳の高齢者は、2種類のワクチンで45人ずつ。71歳以上を高齢群としたモデルナ社は20人、70歳以上を高齢群としたアストラゼネカ社は46人を調べただけです。

 すでに接種を開始したイギリスなどに倣い、日本でも高齢者から接種するよう準備を進めていますが、これほどデータが少ないのに“高齢者優先”でいいのか。

 そして最大の懸念は、どの製薬会社のワクチンも、インフルエンザワクチンのようなタンパク質由来のものではなく「mRNAワクチン」やDNAを組み込んだ「ウイルスベクターワクチン」であること。人工遺伝子にコロナウイルスの一部を合成させ、体内で抗体ができることを期待するというタイプのワクチンです。

 今まで人類が経験したことのない新型ワクチンなのだから、発がん性などを確認するため5年以上は追跡調査をするべきでしょう。

 ワクチン接種で得られる抗体の効果は3か月程度で半減するという研究もあります。未知のワクチンを3か月に1度接種しなければならないというのは、恐怖でしかありません。

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦氏

新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦氏

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン