衆議院議員が任期満了となる10月までに、総選挙が行われる2021年。コロナ対策の失敗で支持率が急低下した菅義偉・首相は早期解散で国民に信を問える状況ではなくなり、任期満了直前に事実上の“追い込まれ解散”をするしかないという指摘も出はじめた。
本誌・週刊ポストは選挙情勢分析に定評のある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力で、小選挙区、比例代表を合わせた全選挙区の情勢を独自に分析し、当落予測を行なった。結果は、自民党は40議席減らして過半数ギリギリの242議席、公明党は1議席減、野党は立憲民主党が20議席以上増やして137議席、共産党も5議席増、日本維新の会は21議席に倍増となった。
シミュレーションでは、自民党は小選挙区でも比例でも大きく落ち込む見通しだ。「比例代表」では見落とせない2つの傾向がある。
自民の「集票マシーン」創価学会の集票力低下
かつて「800万票」の集票力を誇った公明党だが、直近の2019年参院選の得票(比例代表)は約654万票まで減少、次の総選挙は「600万票を割り込む可能性が高い」と見られている。長年、選挙活動の第一線に立ってきた公明党支持者が語る。
「学会員も高齢化が進み、以前のような選挙活動はできなくなっている。そのうえ、コロナの拡大で学会員が地区ごとに集まって勉強会(政治集会)を開くのも難しくなり、戸別訪問もできない」
しかも、公明党は7月の東京都議選に全力投球する。組織的にも、体力的にも、その後の総選挙で自民党を支援する余力は残りそうにないという。