国内

元厚労省医系技官 コロナ対策で経済止めれば医療ではなく社会が崩壊

医療か、経済か

医療か、経済か(時事通信フォト)

 新型コロナウイルス対策をめぐり常に議論なるのが「経済優先」か「封じ込み優先」かだ。元厚労省医系技官の木村盛世氏に見解を聞いた。

 * * *
 新型コロナウイルスの致死性は他のコロナウイルス、SARSやMERSといった毒性の強いウイルスと比べて明らかに低い。

 季節性インフルエンザと比べても、日本国内の年間死亡者数1万人に対し、新型コロナは12月中旬時点で約3100人。新型コロナが他の感染症と比べて怖くないことは明白です。

 今、医療崩壊寸前だというアナウンスがされています。新型コロナ患者を受け入れる病床が足りなくなりつつあるといわれていますが、この程度の感染者数で医療崩壊が懸念されること自体がおかしい。

 毒性の強くない新型コロナを、「指定感染症2類相当(一部I類)」という高いレベルに指定してしまったため、新型コロナ患者の受け入れ病院が限定されてしまった。これが医療崩壊危機の実態です。

 指定感染症2類相当から、季節性インフルエンザと同じ5類にまで引き下げれば、受け入れられる病床は一気に増え、危機は解消するはずです。が、実際は過剰に怖がった結果、受け入れ病床不足が生じ、「医療崩壊を防ぐため」と称して自粛強化を行ない、経済を止めようとしている。何でそんなことをするのでしょう。

 経済を止めれば、国民の経済活動が停滞し、医療ではなく社会そのものが崩壊します。早急に新型コロナ対策を実際の危険レベルに応じた対応に改めなければなりません。今の状態は、新型コロナを大げさに危険視し、経済を止め、社会崩壊に舵を切っているとしか言いようがありません。

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

元厚労省医系技官の木村盛世氏

元厚労省医系技官の木村盛世氏

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
【薬物検査どころじゃなかった】広末涼子容疑者「体を丸めて会話拒む」「指示に従わず暴れ…」取り調べ室の中の異様な光景 現在は落ち着き、いよいよ検査可能な状態に
NEWSポストセブン
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン