ソフトバンク圧勝の日本シリーズの結果でまたぞろ浮上したのが、セ・リーグへのDH制導入案だ。賛否両論あるこのアイディアについて、「導入派」のひとり、野球評論家の金村義明氏が自身の見解を述べる。
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ラミレスがDeNAの監督を辞めるとき「セはパに5年遅れている」と言いましたが、僕も全く同意見。セとパの実力の差は歴然としている。その原因は間違いなくDH制にあります。
日本シリーズで巨人の原(辰徳)監督が不利を承知で全試合DH制を受け入れたのも、一刻も早くセでの導入を促すためでしょう。それなのに4球団の反対で来シーズンの暫定導入が見送りになってしまった。これだけリーグ間の差を見せつけられてるのに、理解に苦しみますね。
DH制になれば野手の出場機会が増える。守備が下手だけど打力があるという選手も活躍できるチャンスがある。
打席が回ってこないことで、完投能力のある投手も増える。それがリーグ間の大きな地力の差になっているのは明らかです。その証拠に侍ジャパンはパの投手だらけじゃないですか。
セのほうが監督采配の妙が味わえるという意見には“ホンマかいな!?”と思いますね。中日の与田(剛)監督なんて、サヨナラの場面で野手を使い切ってしまって、投手を代打に送る迷采配をやらかしたりする。他にも不可解な継投や代打をする監督もいる。セのほうが頭脳的な野球をやっていると言いますが、とてもそうは思えませんわ。
パでは近鉄・西武、セでは中日と、両リーグともに経験しましたが、どう考えてもDH制にはメリットしかありません。早く導入しないと、交流戦でも日本シリーズでもセはパに負け続けると思いますね。
※週刊ポスト2020年1月15・22日号