皇后雅子さま(57才)はビデオメッセージの約6分半、片時も目を離さず、決意に満ちた目で画面の先を見つめられた。順調に思えた皇室史上初の試み。しかしその陰には、並大抵ではないご覚悟と葛藤があった──。
福島県会津地方の民芸品「赤べこ」。体の赤色は疫病を払うとされ、黒い斑点は天然痘を表すという。かつて悪性の天然痘が流行した際、“赤べこを持っていると病気が治る”といわれ、赤べこが子供の身代わりになったとされた。
1月1日、新年の干支「丑」にちなんだ工芸品を前に語り合われる天皇皇后両陛下と愛子さまの映像が公開された。陛下は赤べこが疫病退散の縁起物であることを説明され、お隣に座る雅子さまは真剣な眼差しで聞かれていた。赤べこは「忍耐と力強さ」の象徴でもある。雅子さまは、18年にもわたる忍耐の末、この1月、ついに力強く「令和の皇后」としての歩みを始められた──。
令和3年の元旦、天皇陛下の「新年ビデオメッセージ」が公開された。
「陛下と雅子さまが並ばれ、おふたりでお言葉を述べられました。天皇皇后が並んでビデオメッセージを出されるのは皇室史上初のこと。さらに、雅子さまがご自身の声で国民に語りかけられるのは実に18年ぶりです」(皇室記者)
雅子さまは2002年12月、お誕生日と海外訪問に際しての会見を最後に体調を崩され、国民に直接語りかけられていない。それだけに、昨年12月に陛下のビデオメッセージ配信が決まってから、雅子さまのご同席とお言葉を熱望する声が上がっていた。
「昨年11月の立皇嗣の礼の儀式『朝見の儀』では、秋篠宮さまに語りかけられる形で雅子さまのお声が報じられました。それもあり、雅子さまの肉声メッセージへの期待は最高潮へと達していました。
そしていま、新年の節目という最高のタイミングでメッセージが実現した。御代がわりから1年以上が経ったいま、おふたりが横に並ぶ“令和スタイル”で臨まれたことで、改めて新しい時代の到来を印象づけるものとなりました」(宮内庁関係者)
ビデオでは“国民に視線を合わせながら話したい”という両陛下のお気持ちから、原稿を表示する「プロンプター」という装置が使われた。雅子さまがお言葉を発されたのは2回。冒頭の新年のご挨拶と、終盤のメッセージだ。ビデオメッセージの約6分半、雅子さまは片時も目を離さず、まっすぐに画面の先を見つめられていた。
だが、その決意に満ちた表情の裏には、隠された苦悩があったという。