国内

コロナ対応、「自粛で封じ込めからの特大経済対策」の順番が肝要

コロナ対策と経済活動促進をどう考える?(AFP=時事)

コロナ対策と経済活動促進をどう考える?(写真/AFP=時事)

 新型コロナウイルス対策をめぐり常に議論なるのが「経済優先」か「封じ込み優先」かだ。埼玉学園大学経済経営学部教授の相澤幸悦氏に見解を聞いた。

 * * *
 政府の新型コロナ対応は、「感染を抑えながら、経済を回す」というものでした。それができれば理想ですが、コロナ対策と経済活動促進は、現実として両立しないことは普通に考えればわかるでしょう。

 だとすれば、今はまず感染拡大の封じ込めに注力し、抑え込むまで徹底的に自粛を行なうほうが妥当だと思います。

 もともと政府は、昨年の9月までにコロナが収まることを想定していたはずです。支援金や協力金、補助制度で持ちこたえ、9月に大規模な経済対策を講じて一気に景気をV字回復させるという胸算用だった。

 が、現実にはそうはならなかった。それ以降、政府の腰が定まっていないように見えます。

 政府が今やるべきことは、ロックダウンは無理だとしても、でき得る限りの外出制限です。4月の緊急事態宣言では、どうしても夜の飲食店の営業自粛が徹底できなかった。自粛してもらうにはやはりお金を出してあげねばならない。ここにこそ逐次投入ではなく、本格投入する。それによって新型コロナ感染を抑え込む。抑え込んだ時点で経済対策を講じる。これが誰の目にもわかりやすいV字回復戦略だと思います。

 自粛に関しては、ネガティブな印象しかありませんが、意外にそうではないかもしれない。これまでの歴史を振り返ると、危機、窮地の中で新たなイノベーションが生まれ、その後の経済に寄与してきた。コロナ自粛の間に、「ポストコロナ経済」のヒントが現われるかもしれません。

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

関連記事

トピックス

悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン