コロナ対策で金融緩和が続く中、日経平均がバブル崩壊後の新高値を更新している。このコロナ・バブルはどこまで続くのか。カブ知恵代表、藤井英敏氏が読み解く。
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コロナ対策で各国中央銀行が大規模金融緩和を続ける以上、株式市場への資金流入は当面止まない。“世界の景気敏感株”といわれる日本株にも景気回復期待で買いが集まっているが、日経平均株価は1989年バブル最高値の3分の2に過ぎず、史上最高値更新に沸く米国株より上昇余地はある。
早ければ来期(2022年3月期)の業績予想が出揃う2021年6月頃、または中間決算が出揃う11月頃からクリスマス商戦にかけ、日経平均3万円超えが現実味を帯びてくるのではないか。
実体経済と乖離した株高が「コロナ・バブル」であることは明白だ。しかし、今が有事である以上、平時の投資尺度で見るべきではない。為替相場を見ると、やや円高に振れているが、日米欧の中央銀行がこぞって金融緩和を進めている以上、円高が日本企業の収益を圧迫して株価の下落要因になるとも考えにくい。
ワクチンの効果の有無や副反応を懸念する声もあるが、万一の際は、さらなる金融緩和や財政出動など機敏に対応するのは明らかだ。
過度な悲観論に傾く必要はない。各国の中央銀行が輪転機を回して紙幣をばらまく限り、バブルは終わらない。何よりFRBは2023年まで金融緩和を継続する方針を打ち出しているのだから、少なくともあと2年は株高が続くと見てよい。
そう考えていくと、ここまでの株価上昇局面よりも、今後の上昇幅のほうが大きいだろう。「コロナ・ショック」に目を覆うよりも、「コロナ・バブル」にうまく乗ることを考えたほうがよほど賢明ではないか。
※週刊ポスト2021年1月15・22日号