24歳の誕生日を迎える前日だった昨年12月2日、香港の民主活動家・周庭(アグネス・チョウ)氏に対して、裁判所は禁固10か月を言い渡した。罪状は、6月21日に警察本部を包囲した抗議デモについて、無許可集会を煽動したこと。これまで15歳から8年間、民主化運動を続けていた彼女にとって、逮捕は3回目だったが、以前の2回は不起訴であり、今回は初犯ということを考えると、かなり厳しい判決だった。年明けには、殺人など重大事件の受刑者が収監される刑務所に移送されていたことも報じられた。
「収監中の彼女から手紙がきました。親しい人に対して『心配をかけてごめんなさい。つらいですが、がんばります!』という伝言と、現在の様子の報告でした。コロナ対策のため14日間の隔離中で、昼間の刑務作業はなく、やることがないので、21時には寝る生活を送っているそうです」(周氏の知人)
香港の禁固刑は休日などの日程が引かれるため、周氏は7~8月頃には出所する可能性がある。その後はどうするのか。香港のジャーナリストが語る。
「現在、民主派の議員や活動家たちの香港脱出が続いています。2020年6月30日から施行された国家安全法では、海外メディアのインタビューに答えることや、SNSの発言まで取り締まりの対象になりました。現在の香港警察は目立つ人物の逮捕のためには手段を選びません。出所後に海外渡航が可能になったら、周さんもいち早く香港を脱出するのではないでしょうか。とくに彼女が特別な思いを寄せる日本に亡命するのではないかと言われています」
8月に逮捕された時にはツイッターのトレンド1位にもなるほど、周氏は日本社会でも知られている。そうしたなかで、日本亡命後を見据えて熱い視線を投げかけている業界がある。
「ぜひ、日本でタレント活動をして欲しいですね」──そう語るのは、中国人ジャーナリストであり、外国人タレントの芸能事務所を経営している周来友氏だ。
「周庭さんはとても美人ですし、日本語能力も申し分ない。トークも上手いですし、踊りや歌もこなす。名前も日本で浸透しているので、外国人タレント枠を超えて日本の芸能界で活躍できるのではないでしょうか」
すでに周庭氏が投稿しているYouTubeチャンネルではバラエティ色が強い企画が続き、最高で40万再生を記録。ツイッターも日本を中心に60万人近くがフォローしている。日本亡命後は大手芸能事務所も黙っていないのではないか。