ビジネス

森永卓郎氏が警鐘「株価はすでに危険水域、バブル崩壊は秒読み」

森永卓郎氏は今の相場状況をどう見るか(写真/共同通信社)

森永卓郎氏は今の相場状況をどう見るか(写真/共同通信社)

 コロナ対策で金融緩和が続く中、日経平均がバブル崩壊後の新高値を更新している。このコロナ・バブルはどこまで続くのか。経済アナリストの森永卓郎氏が読み解く。

 * * *
 日米ともに現在の株価は異常に高い水準だ。株価は「半年先の景気の先行きを映し出す鏡」と言われるが、私は半年先に景気が回復するとは到底思えない。

 2021年には新型コロナのワクチン普及で景気回復するとの楽観論もあるが、非現実的だ。日本で一般国民にワクチン接種が始まるのは、おそらく米ファイザー社の納期となる6月末。有効性も副反応も十分に検証されないまま短期間で承認されそうなのも気がかりであり、実際にどれだけの人が接種を受けるか疑問だ。

 バイデン新大統領の政策も経済低迷の一因になりそうだ。富裕層への増税などで景気回復に水を差す公算が大きい。

 景気後退が予見される以上、今の株高はバブルとしか言いようがない。“すぐには弾けない”と捉える向きもあるようだが、そうは思えない。

 ノーベル経済学賞受賞者で、イェール大学教授のロバート・シラー博士が考案したシラーPER(株価収益率=株価の割高感を示す指標)を見ても、割高とされる25倍を超える状態が続いている。

 ITバブルの時は25倍超えが79か月、リーマンショック前は52か月継続したところでバブルが崩壊して暴落がやってきた。米国市場では現在、この25倍超えが78か月も続いている状況である(2020年11月末時点)。つまり、2021年はいつバブルが弾けても不思議ではない。日経平均株価も「2万円割れ」どころか、現在の半分以下の水準まで急落する可能性すらあるだろう。

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン