ビジネス

コロナ後の不動産 オフィス、戸建て、タワマン需要は「一皮むける」

東京・湾岸エリアのタワマン群(時事通信フォト)

東京・湾岸エリアのタワマン群(時事通信フォト)

 年が明けても長引くコロナ禍によって激変した国民の働き方や暮らしぶり。特に不動産市場は都心回帰の流れがストップし、昨年は郊外の一戸建てやリモートワーク用の広いマンションが売れるなど、完全に風向きが変わりつつある。果たして「アフターコロナ」の不動産はどうなっているのか──。近著に『ようこそ、2050年の東京へ』(イースト新書)がある住宅ジャーナリストの榊淳司氏が予測する。

 * * *
 アメリカやイギリスではワクチンの接種が始まっている。日本でも2021年の春ごろには多くの人への接種が可能になるという。報道されている通り、その有効性が90%以上あるならば喜ばしい限りではないか。理論的には、ワクチンが行き渡ればコロナの流行も収まる。

 約100年前に世界的に流行し、何千万人もの命を奪ったと言われるスペイン風邪は約2年で消えたという。特にワクチンが開発されて世界中に行き渡ったわけではない。人々の自然な治癒力しか頼れなかった時代だ。多くの人が抵抗力を備えたのだろう。

 コロナ禍はいずれ終わる。それが1年後なのか、2年後かは分からない。しかし、いつかは確実に終わる。

 では、コロナを心配する必要がなくなった時、われわれは以前の生活に戻れるのか? 多分、それは難しいだろう。コロナはあまりにも多くの変化をわれわれの世界にもたらした。その中のいくらかは元に戻るかもしれない。しかし、戻らないものも多いだろう。

渋谷のオフィスも「借り手優位」に

 例えば、働き方の常識を変えたテレワーク。ネット系の大手企業などは、コロナ後もテレワークを常態化すると表明している。テレワークによって業務に支障をきたさないのであれば、それは企業側と働き手双方にウィンウィンの変化となる。

 私が眺めている限り、合理的で優秀でスマートさを尊ぶ経営者と社員がいるエクセレントな企業ほど、テレワークに向いている。そういった企業はむしろ、テレワークの導入によって、それ以前よりも業績を向上させている。

 エクセレントな企業の多くは、都心にオフィスを構えていた。例えば、渋谷などはIT系の新興企業が好んでオフィスを借りている街だ。だからコロナ以前は賃料が上昇し続けていた。

 その渋谷エリアのオフィス賃料は今、ジワリと下落している。反対に空室率は上昇。この変化の潮流はコロナ後も変わらず続きそうだ。つまり、賃貸オフィス市場は当面需給関係が緩んで借り手優位になる。貸し手市場であった渋谷エリアでも、その傾向は変わらないだろう。

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト