日本シリーズで2年連続ソフトバンクに4連敗を喫した巨人はオフの補強に余念がない。フリーエージェント(FA)でDeNAから梶谷隆幸外野手(32)、井納翔一投手(34)を獲得。新外国人としてメジャー198発のジャスティン・スモーク内野手(34)、メジャー96発のエリック・テームズ外野手(34)が加入。ポスティングによるメジャー移籍を目指していた菅野智之も残留することになり、盤石の体制でシーズンに望むことになりそうだ。
大型補強をすれば、必然的に若手の出場機会が減ってくる。原辰徳監督は梶谷と井納の入団記者会見で、2021年のオーダーについて「1番・梶谷、2番・坂本勇人、3番・丸佳浩、4番・岡本和真」の構想を明かしており、5番、6番には新外国人が座る可能性があるだろう。昨季1番を務めた吉川尚輝はセカンドのポジンションを死守しそうだが、シーズン途中から2番・ライトに定着した松原聖弥はどうなるのか。野球担当記者が話す。
「序盤は梶谷や新外国人がスタメンで起用され、松原はベンチを温める可能性が高いのでは。しかし、実力至上主義を掲げる原監督は新戦力が使えないと感じれば、すぐに他の選手にチャンスを与えるはず。昨年の開幕前、松原がレギュラーに定着するとは思われていなかった。ライバルは増えましたが、今年もチャンスは十分ある。特に、“純巨人の外国人打者”はほとんど期待通りに働いていないですから」
巨人の外国人打者を見ると、2000年代にペタジーニ(元ヤクルト)、李承燁(元ロッテ)、ラミレス(元ヤクルト)、最近ではマギー(元楽天)、ゲレーロ(元中日)、ウィーラー(元楽天)など、日本で実績のある選手を中心に補強してきた。彼らはそれなりの数字を残したが、日本球界初参戦となる巨人の新外国人打者はそれほど活躍できていないのが実情だ。
「一昨年のビヤヌエバ、昨年のパーラはともに来日前はクリーンナップを期待されていたが、シーズン中盤になるとスタメンにすら入らなくなった。ケガもあったとはいえ、期待からは程遠い結果でした。最近5年で、国内球団を経ていない外国人の100試合以上出場は、2016年のギャレットだけ。そのギャレットも24本塁打、68打点はギリギリ及第点としても、打率2割5分8厘と確実性がなかった。
その前を見ても、フランシスコやセペダなど、期待外れの外国人は少なくない。2013年のロペス以来、“純巨人の外国人”で活躍した打者はいない。2014年のアンダーソンは打率3割1分9厘と数字を残していますが、87試合の出場で規定打席には到達していません」