コロナ対策に奔走し、都民のみならず全国から注目を集める東京都の小池百合子都知事。国政への復帰も取りざたされるが、小池氏に総理大臣の資質はあるのか。ノンフィクション作家の大下英治氏はこう分析する。
「女性政治家で総理の器と言えるのは彼女ぐらいです。愛嬌だけでなく、度胸があることが他の女性政治家と異なる。
2005年郵政選挙で地元兵庫から東京10区に刺客として立ち、安倍政権で干されたとみれば都知事選に出馬する。リスクを取った上でしっかり勝っています。
エジプト・カイロ大学で過ごした経験が大きいのでしょう。日本のムラ的な感覚が希薄で、プラス-マイナスだけのドライな決断ができる。
女性に限らず日本の政治家に足りないのは、この度胸。アメリカ、ロシア、中国と“マフィア”のような国のリーダーたちと丁々発止やれるのは誰か。彼女ぐらいしか思い浮かびません」
一方、政治ジャーナリストの安積明子氏の見方は、こうだ。
「菅総理の支持率が低下するにつけ、小池都知事のご機嫌がよいようです。政権がひっくり返れば、自分の番が来るかもと思っているのでしょうか。
女性総理というと、私はドイツのメルケル首相とニュージーランドのアーダーン首相が思い浮かびます。メルケル首相には女性ながら父性的な力強さを感じ、アーダーン首相は女性らしく母性的。国民を引っ張るリーダーか、国民に寄り添うリーダーか。その2つを兼ね備えていればベストですが、小池さんの言動には『自分優先』が見えてしまう。何をするにも国民のためではなく自分の存在を示すためだということが、わかってしまうからではないでしょうか」
週刊ポストの読者アンケート(1000人が回答)では、69.5%が「その器にあらず」と回答したが、2021年は初の女性総理が誕生するか。
※週刊ポスト2021年1月15・22日号