不倫が発覚した芸能人が活動を自粛せざるを得なくなるケースは多い。しかし、そういった芸能人たちが活動を再開するには、さらなるハードルがある。不倫芸能人の復帰は容認されるべきか否か──。芸能レポーターの川内天子氏が見解を述べる。
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不倫騒動の与える影響が、昔と今では違うんです。このご時世、スポンサーの意向を無視して復帰することはできない。企業イメージに関わることなので、特に購買力のある女性が嫌がる不倫問題は、スポンサーにとって許しがたいことです。
家庭を想起させる食料品や家電などを扱う企業では御法度。加えて、CMやドラマの放送中止によって収入や職を失う人だっているかもしれない。
「視聴者の声」も大きくなっています。昔の芸能界では、こうした不倫騒動が起きると、視聴者はテレビ局に電話でクレームを入れていたんです。それが今はSNSを使って、誰でも自由に匿名で意見が言えるようになった。出演番組のスポンサーにまでクレームを入れる人も多い。その行為が善とか正義だとは思いませんが、現実としてバッシングの声の大きさを無視できない世の中になったんです。
渡部建さんの場合は、不倫に使われたのが「多目的トイレ」。不快感、不潔感もあるし、そこを利用しなければならない人たちを軽んじる行為でした。バッシングが強くなるのは当たり前でしょう。
もちろん、不倫した芸能人が完全に復帰できないとは言いませんが、復帰後も“茨の道”が待っています。東出昌大さんは会見で「杏さんと不倫相手の若手女優とどちらが好きか」という質問に答えられなかったことで墓穴を掘った感がありました。ネット社会では不祥事の記録が永久に残り、視聴者の怒りもなかなか消えません。一度の過ちが致命傷になる時代です。
※週刊ポスト2020年1月15・22日号