毎年、震度5弱以上の地震が10回ほど発生する日本で、いま警戒すべき場所はどこなのか──。
測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授は、国土地理院が全国1300か所に配備する電子基準点のGPSデータをもとに、大地震発生のリスクを予測する「MEGA地震予測」を主宰してきた。2011年の東日本大震災(最大震度7)をはじめ、震度5以上の大地震の予兆を幾度も捉えてきた村井教授が、新たに取り組んでいるのが「ダイナミックAI地震予測」だ。
人工知能(AI)が電子基準点のデータを精密に分析。地表の動きを立体的に捉え、全国14エリアの危険度を5段階で判定する。
同予測では全国を14エリアに分け、「3か月以内に震度4以上の地震が発生するリスク」を判定。危険度を5段階で割り出す。村井氏が会長を務める民間調査会社JESEAが、AIによる警戒ゾーンをメディア初公開した。別掲MAPでは、AIが危険度上位と判定した5つのエリアを示した。
「1位の北海道南西部・青森県警戒ゾーンでは12月21日に青森県東方沖を震源とする震度5弱の地震が発生しました。同地域では過去にも十勝沖、浦河沖など周辺海域を震源とする地震が数多く発生しており、2位の北海道北東部ゾーンとともに、震度5以上の強い揺れに伴う津波に警戒が必要です」(村井氏)
村井氏はAIによる判定から外れた「首都圏」も引き続き警戒を怠るべきでないと語る。
「昨年は千葉や神奈川、静岡でも異常変動が見られた。それらの地域を震源とする地震が発生すれば、地盤の緩い都心の被害が甚大になる可能性が高い」(村井氏)
2021年も最大限の注意を払いたい。
*JESEAでは毎週水曜日にWebサービス・アプリ「MEGA地震予測」で情報提供している。詳しくは、https://www.jesea.co.jpまで。
※週刊ポスト2021年1月15・22日号