1月7日、東京・国立劇場の初春歌舞伎公演『四天王御江戸鏑』では、こんな一幕があった。美しい女郎・花咲(尾上菊之助・43才)と夫婦の盃を交わした綱五郎(尾上菊五郎・78才)が、弁の内侍(尾上右近・28才)からも「ずっと慕っておりました」と言い寄られ、「どっちを選ぶの?」となってうろたえる。
そこで菊五郎が咄嗟に放ったのが、「中村芝翫じゃあるめえし」──このアドリブに観客からは、どっと笑いとやんやの拍手喝采が巻き起こった。
実はこの日は、中村芝翫(55才)の不倫疑惑を報じた『週刊文春』の発売日。記事によれば、お相手はアンジェリーナ・ジョリー似の23才年下女性で、芝翫は昨年11月下旬、京都ロケにかこつけて、高級ホテルでこの女性と3連泊。しかも240万円もする鏡台をプレゼントしてもらったこともある「貢がれ不倫」だったという。
冒頭の日の夜、笑いものになった夫の汚名返上のため、ある女性が陰で活発な動きを見せていた。1991年の結婚以来、30年間にわたって芝翫に連れ添ってきた、妻の三田寛子(54才)だ。
「三田さんが歌舞伎座で謝罪会見をしようと画策していたようです。なにしろ三田さんには過去の“成功体験”がありますからね」(梨園関係者)
芝翫の不倫はこれが初めてではない。三代目中村橋之助を名乗っていた2016年9月、京都の元芸妓との不貞行為が発覚。このとき、夫の窮地を救ったのが、三田の会見だった。雨が降るなか、三田は「深く夫婦で反省しております」と謝罪し、報道陣に気遣いながらどんな質問にも丁寧に答え、離婚については「ないで~す!」と明るく否定した。
この会見を坂上忍(53才)は『バイキング』(フジテレビ系)で「名会見だ」と絶賛。安藤優子(62才)も『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)で「本当に説得力ある話だった」と褒めたたえた。三田の“神対応”で、不倫問題は一件落着。橋之助は1か月後に迫っていた芝翫襲名を無事に乗り切ることができたのだ。
「前回の不倫で“勝ち組”になったのは、実は妻の三田さんでした。世の女性たちを味方につけただけでなく、歌舞伎関係者も三田さんに頭が上がらなくなった。あれを機に三田さんは名実共に梨園の“ゴッドマザー”になったんです。今回も“私が真っ先に出ればなんとかなる”と考えたのではないでしょうか」(前出・梨園関係者)