芸能

『大コメ騒動』主演・井上真央「こんな時代だからこそ庶民の底力を」

(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

主人公のおかか・いとは愛する家族を守るため、突撃の先陣を切る(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

 大正7(1918)年に富山の貧しい漁村で起きた「米騒動」。高騰するコメの価格にがまんの限界を超えたおかか=母たちが「負けんまい!」と立ち上がり、井戸端から世の中を変えた、日本の女性が初めて起こした市民運動ともいわれている。

 公開中の映画『大コメ騒動』はその史実を基に、約100年前の名もなき主婦たちのパワフルな奮闘ぶりを生き生きと描き出す。主要人物として農村から漁村へ嫁いだおかかを井上真央、おかかたちを束ねるリーダーのおばばをインパクト大のビジュアルで室井滋が熱演。また、コメの価格に揺れる街頭にふらりふらりと現れては、「あきらめなされよ あきらめなされ〜」などとふしぎな調べの歌を飄々と口ずさむ富山日報の記者を立川志の輔が演じている。

 志の輔が口ずさむのは明治大正期に流行した添田唖蝉坊(そえだあぜんぼう)の歌。政治や社会を風刺し、庶民のうさを晴らす痛快な歌で人気だったといい、朝日新聞の天声人語(1月9日)でも作品の背景となった時代を鮮やかに切り取り、『大コメ騒動』と共にいまの世相と深く響き合う歌だと紹介された。富山の米騒動はスペイン風邪が猛威を振るった大正時代の出来事だが、令和時代のいまはコロナ禍に喘いでいる。

 9日の公開御礼イベントに登壇した井上は、「大変なときに庶民の『頑張ろう!』とする力が社会を大きく変えていったことになるのかな」と思ったと明かし、こんな時代だからこそ、作品から庶民の底力を感じてほしい(映画公式イベント配信映像より)と語った。

「試練に続く試練ですが、映画は103年前の米騒動に打ち勝っていくという物語。ひょっとしたら現代のかたにも参考になるのでは」

 と、メッセージを寄せたのは室井。映画のクライマックスとなるシーンで、おかかたちの大群が米俵めがけて突撃する光景は迫力満点。大正のおかかの熱量と行動力に胸がスカッとすると同時に“令和のおかかも負けていられない!”と胸が熱くなり、元気がでること請け合いです。

映画『大コメ騒動』
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
配給:ラビットハウス、エレファントハウス
ノベライズ版が小学館より発売中

※女性セブン2021年1月28日号

(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

猛烈な勢いで米の積み出しに突撃するおかかたち(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

新聞で情報収集するおかかたち(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

おかかと対立する米商店の女将(左時枝・左)と妹(柴田理恵)(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
「2024年に最もドッキリにかけられたダマされ王」ランキングの王者となったお笑いコンビ「きしたかの」の高野正成さん
《『水ダウ』よりエグい》きしたかの・高野正成が明かす「本当にキレそうだったドッキリ」3000人視聴YouTube生配信で「携帯番号・自宅住所」がガチ流出、電話鳴り止まず
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン