新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。このコロナ禍を、そして、コロナによって大きく変わる世界をどう生き抜いたらいいのか。とりわけ非正規雇用の割合の多い女性の雇用は悪化し、自殺者も増えている。
そのヒントの一つになりそうなのが、福山市立大学名誉教授の藤森かよこさんが上梓した『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ)だ。本書は「低スペック女子向け」の異色の自己啓発本として大きな反響を呼んだ前著(『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』)の続編でもある。「世界があなたを必要としなくても、あなた自身が世界に居座れ!」と説く藤森さんに、近未来予測と、“持たざる者”のサバイバル術を伺った。
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「人間が余る」時代が近づいている
──昨年から始まり、現在も猛威をふるうコロナ危機に対して恐怖と不安を抱いた藤森さんが取った行動は、「徹底的にリサーチ」でした。
藤森:不安なとき、恐怖に駆られたときは、自分が怖いと思っている対象について徹底的にリサーチするに限ります。私は生まれて初めて痴漢に遭遇したときから、そうしてきました。昨年の2月から新聞や関連本、インターネット記事などを読み漁って自分なりに勉強した副産物が、今回の新刊になります。かなり厳しいことも書いていますが、未来予測や対策に、見通しの甘さは命取りです。最悪の未来を想定した上で、自分ができる範囲で備えるのが、生き抜くために必要な姿勢だと思います。
──コロナ危機によって、「遠い未来」だったはずのものが、「近未来」になったと書かれています。たとえばデジタル化、AI化の加速、第四次産業革命の到来……。その結果、「普通のその辺の女性(と男性)の雇用が消える未来」が近くなってしまったと。
藤森:こういう方向に世界が動いていくのはわかっていたんですが、私が死んだ後だと思っていました(笑)。今回のコロナが、その流れを加速させたんです。明治維新も戦後もそうですが、歴史を見ればわかるように、世の中、変わるときはサッと変わります。今は「人間が余る」時代が近づいている。その近未来を、私を含めた「馬鹿ブス貧乏=そのへんの普通の女性」はどうしたら生き抜けるのかを考えました。