昨年に続き新型コロナウイルスの影響を受け開幕戦の延期が決まったジャパンラグビートップリーグ。しかし、2023年の次回W杯に向けて、男たちの戦いは静かに始まろうとしている。桜を背負った男たちの「2019年W杯以後」を、『国境を越えたスクラム』(中央公論新社刊)の著者・山川徹氏が取材した。
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新型コロナは今年のラグビートップリーグにも影響を及ぼしているが、元日本代表で解説者の大西将太郎は、「2023年のW杯フランス大会に向け、とても重要なシーズンになります」と今シーズンの重要性を強調する。
2019年のラグビーW杯で史上初のベスト8進出を果たした日本代表は、列島を熱狂させた。そして開幕した2020年のトップリーグ。歴代最多の平均入場者数を記録したが、新型コロナの感染拡大を受けて2月下旬で中止になってしまう……。
「これから、という時期に試合どころか、チームの活動も自粛せざるをえなかった。日本代表も海外の強豪とのゲームが予定されていましたが、すべて中止になってしまいました」
テストマッチ(国と国との真剣勝負)ができなかった強豪は、日本と南アフリカだけ。ブランクが懸念されるが、希望もある。
「松島幸太朗です。フランスのクラブに移籍して、大きく成長し、世界的に注目を集めるほど活躍している。コロナ禍での数少ない明るい話題です」