ポスティングシステムを使って大リーグ移籍を目指していた菅野智之(31)の巨人残留が決定した。
「コロナが大きく影響したというのは建前。代理人を通じて大リーグ球団と交渉を重ねていた。それでも契約が成立しなかったのは、高額のポスティングの譲渡金と年俸を支払ってでも“欲しい”という球団が現われなかっただけです」(スポーツ紙記者)
今季、海外FA権を取得したうえで次のオフに“再挑戦”となるが、道のりは険しい。
「メジャーで実績がなく、しかも30歳を超えた選手が、好条件の複数年契約を結ぶのは難しい。メジャーの評価を上げるためには、昨季以上の成績が求められます」(大リーグ評論家の福島良一氏)
開幕戦から13連勝、最多勝と最高勝率を獲得した昨季以上となると、かなりハードルが高い。だが、菅野にとって心強いのは、巨人の手厚いバックアップだ。
「球界史上最高年俸となる単年8億円での契約更改で、今シーズン終了後に再度、大リーグ移籍のチャンスを与えた。
さらに桑田真澄(52)を投手チーフコーチ補佐に招聘したのも大きい。巨人の意向に背いてメジャー挑戦したことで冷遇されてきた桑田を復帰させたことは、“引退後も面倒を見る”という菅野への強いメッセージでしょう。桑田は会見で『まだまだ伸びしろがある。もう少し彼の潜在能力を引き出せれば』と菅野を積極的に指導する意向を示した。菅野も桑田からメジャーの話を聞くことでモチベーションを維持できるはず」(巨人担当記者)
さて、1年後に纏うユニフォームは──。
※週刊ポスト2021年1月29日号