いつどこで感染するかわからない新型コロナウイルス。日常生活の中での感染対策が重要になってくる。当然、家庭内でも感染予防が必要だ。
食事は別のときもあるけれど、寝るときの習慣は変わらないもの。しかし、寝ているときも感染のリスクがあるのは同じで、感染の恐れがある家族とは部屋を分けるべきだ。坂根Mクリニックの坂根みち子院長はこう言う。
「長時間、密室に一緒にいるのを避けるためです。寝室は、特にこの季節は窓を開けっ放しで寝ることはできないので換気の面でも不安ですし、寝ている間に、無意識のうちに目やいろいろなところを手で触ってしまうこともあるでしょう」(坂根さん)
ただし、食事にも工夫をした方がいい。大皿から取り分けるのではなく個別に盛り付ける、食器を共用しないなどの工夫がおすすめだ。
「家族全員が、自分は感染していて、誰かにうつしてしまうのではないかと考え、こまめに消毒をしたり距離を置いたりすることが第一です。ただ、地方で暮らす老夫婦だけの家族など、顔を合わせる人が限られているならそれほど神経質になる必要はありません」(坂根さん)
【買い物】一気に買いだめ? こまめに買い足し?
日常の買い物の仕方にも、気をつける必要がある。ボストン在住の内科医・大西睦子さんはこう警鐘を鳴らす。
「事前に2週間分ほどの買い物リストを用意し、店では買うものだけに触れて、電子マネーなど非接触型の支払いをするようにしましょう。スーパーは意外と感染リスクが高い場所なんです」(大西さん)
つい、商品を手にとって成分や新鮮さを確かめてしまう習慣も、この時期は封印すべき。セルフレジのタッチパネルやエレベーターのボタンに触れるときは「利き手とは逆の手を使います。もしもウイルスに触れてしまっても、その後、まき散らすリスクを減らせるからです」(国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さん)。
いつも買い物する時間からずらして、人の少ない時間帯に、できるだけ少人数で、できるだけ短時間のうちに買い物を済ませよう。
「店の混雑具合を知らせてくれる便利なサービスもありますが、《空いています》という通知に殺到して混雑する可能性も否めません。自分の中でルーティンを作るのが大事です」(一石さん)
【家族で外食】空いている屋内席? 距離が近い屋外席?
家族で過ごす休日。人の少ない屋内と、人の多い屋外、どちらで家族と過ごす方が感染リスクが高いのだろうか。
「アメリカ疾病予防管理センターは、屋内席でテーブルが少なくとも2m離れているところでの食事と、屋外席だがテーブルは2m離れていないところでの食事では、同じくらいリスクがあるとしています」(大西さん)
条件的には、どちらも避けるべきという結果に。
スーパーコンピュータ富岳のシミュレーションでも、屋外であっても予想以上にウイルスが拡散していることがわかっている。外でも決して安心はできず、どこにいてもマスクは必須ということだ。
ちなみに、食事の場所として最もリスクが少ないのは、当然ながら自宅。気分転換のためにどうしても、家以外の場所で食事をしたいなら、屋外の、周囲に人のいない場所を根気よく探し出すべきだ。
※女性セブン2021年1月28日号