2019年に全英女子OPを制してスターとなった渋野日向子(22)にとって、昨年は浮き沈みの激しい1年だった。極度の不振から年末に復調し、12月の全米女子OPでは最終日まで優勝争いを演じた。
そうしたなかで注目されているのが、苦楽をともにしたコーチとの師弟関係の行方だという。
「昨年末に夕刊紙で、青木翔コーチとの“決別”が報じられたのです。昨オフに取り組んだスイング改造がうまくいかず不振に陥ったこともあり、米女子ツアーからの帰国後に渋野がコーチとの関係を解消したという記事だった」(ゴルフ担当記者)
渋野を一流に育てたコーチとの決別となれば、大きな方針転換だ。
たしかに昨年8月の全英女子は、青木コーチが帯同したものの予選落ち。その後、渋野は米国ツアーを転戦し、青木コーチは帰国。すると調子が上向いていった経緯がある。
「ただ、再現性を高めるべく取り組んだスイング改造は、すぐ結果が出るものではないというのが渋野と青木コーチの共通認識だった。時間をかけてでも世界トップになるためのもので、ちょっと予選落ちが続いたくらいで関係が崩れるとは思えない」(LPGA関係者)
にもかかわらず決別報道が出たのは、「今季の国内ツアーはコーチが試合会場に入れず、渋野の側に青木コーチの姿がなかったからだろう」(同前)とみられている。
「ひとりで試行錯誤を重ねているように見え、“渋野のコーチ離れ”が話題になったのでは」(同前)
世界ランクは13位となり、東京五輪に向けて再び代表圏内に戻ってきた。スイング改造が早く結実することを願いたい。
※週刊ポスト2021年1月29日号