国内

ワクチン接種を自治体に丸投げする菅政権 現場の大混乱は必至

ワクチン接種はスムーズに行われるのか…

ワクチン接種はスムーズに行われるのか…

 コロナ禍が続く2021年、注目が集まるのが「ワクチン」だ。国はこれまでに、2億9000万回分のワクチンの供給を受けることで製薬企業3社と合意した。このうち最有力の米ファイザーからは、6月末までに1億2000万回分が提供される予定だ。

 だが実際のワクチン接種の現場では、大きな混乱が予想される。医療ガバナンス研究所理事長で医師の上昌広氏が指摘する。

「国の計画では、ワクチン接種の際に住民に対応するのは市町村です。過去に市町村はこれほど大規模な集団接種を経験しておらず、現場が混乱することは必至です。しかもファイザーのワクチンは、マイナス60度以下で厳格に保存しないと効力を発揮しない。扱いの難しいワクチンを国が自治体に“丸投げ”した状態になるのです」

 接種を巡って、「格差」が生じる怖れもある。

「このワクチンは開封後10日間で使い切る必要があり、自治体で医師の確保などの準備が整わず、時間切れで全てを打ち切れない可能性があります。また『〇日~〇日の間なら打てます』となると仕事の都合などで、希望しても接種できない人が出る怖れもある。ワクチンを打った人と打たない人の間に亀裂が生じ、社会が不安定化するリスクがあります」(上医師)

 副反応の問題も懸念される。アメリカでは、ファイザー製のワクチンを接種した189万人のうち、21人にアナフィラキシー症状が生じた。これはインフルエンザワクチンの10倍近い発症頻度とされる。

 不安視されるのは菅義偉・首相の「コミュニケーション能力」だ。

「このワクチンは副反応が比較的強い。高齢者の場合、強い炎症反応が生じれば、最悪死亡する可能性もあります。本来、ワクチンにつきものの副反応や接種の有効性については国がきちんと説明する必要がある。しかし、菅首相は記者会見でも伏し目で棒読みなので、意を尽くして説明して、ワクチンに関する国民の不安を払拭できるとは思えません」(上医師)

関連記事

トピックス

三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン