女子アナ界の人気ランキングは、長くバラエティ系のアイドル・アナが席巻してきた。今でいうならテレビ朝日の弘中綾香アナが絶大な人気を誇る。『激レアさんを連れてきた。』『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』『お願い!ランキング「太田伯山」』などで、タレント顔負けのボケと愛嬌でお茶の間の心をつかんでいる。昨年末に発表されたORICON NEWSの「第17回 好きな女性アナウンサーランキング」では、弘中アナに続く2位には、元祖・ぶりっ子の田中みな実アナ(フリー)が人気健在を示している。
しかし、最近ではそうした“トップ・アイドル”に続くのは報道系の実力派という構図が定着している。同ランキングでは、3位はNHK出身の有働由美子アナ(フリー)、4位はテレビ朝日の大下容子アナと、報道畑のベテランが並ぶ。そして、そのアイドル系と報道系のハイブリッドといえるのが、5位にランクインしたテレビ東京の大江麻理子アナである。
現在は報道局所属だが、2001年の入社時はアナウンス部。『出没!アド街ック天国』などバラエティで頭角を現し、なんといっても『モヤモヤさまぁ~ず2』で、さまぁ~ずの2人と絶妙のゆるいトークを披露して人気を確立した。その後、2013年にニューヨーク支局に出向し、翌年3月に同局の報道番組の看板である『ワールドビジネスサテライト』のメインキャスターとして報道界のスターダムに上っている。
硬軟併せ持つ新世代のスターアナといえる大江アナが、この春、報道界に“下剋上”を起こすのではないかと注目されている。キャスターを務める『ワールドビジネスサテライト』が、これまでの23時台から22時台に移動することが決まり、この時間帯の横綱であるテレビ朝日の『報道ステーション』とのガチンコ勝負に挑むことが決まったからだ。
これまで、22時台は報ステの独壇場なので、他局はあえてニュースを23時に配して直接対決を避けてきた。テレビ東京は実質的な親会社が日本経済新聞社であり、経済ニュースを得意にする特徴があるとはいえ、他局の看板ニュースも避けてきた戦いに挑むのはなぜなのか。背景には一向に収束が見えないコロナ問題があったのだという。同局関係者の話。
「放送時間の移動がスタッフ内で広まったのは昨年11月末頃。大きな理由は2つと説明されました。ひとつは、コロナの蔓延でビジネスマンの帰宅が早まっていること。昨年末にかけて感染はどんどん拡大し、ついに年明けには非常事態宣言が再び出されたが、この状況はどう見ても一気に改善される見込みはない。仮にワクチンが劇的に効いたり、治療法が確立したりしても、この1年で定着した国民の生活様式はそう簡単には変わらないだろうという判断です。
もうひとつは、コロナ不況をなんとかしようと、日本を含めて各国の中央銀行が金融緩和を進めていて、それによって株価が爆騰していること。実体経済はダメージを受け、国民の生活も苦しくなっている一方で、株価が好調で投資に対する興味が増しているから、ワールドビジネスサテライトの需要が高まっている」