11都道府県に緊急事態宣言が出されるなど、ステイホームを余儀なくされる生活が続いている。コロナによって「仲良くなった」と答える夫婦は「悪くなった」と答える夫婦の約3倍にのぼるというアンケート結果(明治安田生命)が出ている一方で、コロナ離婚やコロナ別居が話題になるなど、コロナによる生活の変化は、夫婦や家族の在り方にも影響を与えている。そんななか、都内在住の真理子さん(44)は、2度目の緊急事態宣言に頭を抱えている一人だ。その理由は「3度の食事」。コロナ禍における家族の食事問題を考える。
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3度の食事に晩酌まで
42歳の真理子(まりこ)さんは、同い年の夫、正弘(まさひろ)さんと二人で、都内の閑静な住宅街に暮らしている。年明け早々から二人ともリモートワークに切り替え、買い物も極力通販を利用するなど、感染防止対策に余念がない。
緊急事態宣言を発令した政府は出勤者の「7割削」を要請しているが、職集や職場環境などによって、希望してもリモートワークができない人はいる。夫婦共にリモートワークができるのは「恵まれている」と自覚しつつも、真理子さんは憂鬱だった。
「食事が大変なんです。前の緊急事態宣言のときにとても疲れたので、また3度の食事を作るのかと思うと、正直、うんざりで……」
いま、平日の真理子さんのスケジュールはこんな感じだ。
7時に起床すると、コーヒーを淹れ、朝食を作る。ご飯とパンを交互に食べるのが真理子さん夫婦のルーティーンで、ご飯の日は味噌汁、漬物、焼き魚。パンの日はハムエッグやスクランブルエッグとフルーツを。朝はシンプルに、しかし決して抜かない。これは出勤していた頃からの変わらない日常風景だ。
9時になるとそれぞれの部屋に移動し、仕事を開始。12時になるとランチ休憩に入る。前日までに考えておいた昼食を作って、12時半から夫婦でランチ。パスタやうどんなどの麺類が多いという。食後のスイーツも欠かさない。後片付けの時間を含め、14時までを昼休憩にあてている。通勤時間がないぶん、ゆっくりできるのだ。
ランチが終わると仕事を再開し、15時すぎには休憩がてら紅茶や緑茶を淹れ、夫の部屋にも持っていく。リモート会議などが入らない限り、いったん17時には切り上げ、夕食の支度を開始して、18時から夕食。酒好きな真理子さん夫婦だが、どちらかでも仕事が残っている場合はアルコールはなしで食事だけとって、二人とも仕事を終えたあと、9時とか10時から、真理子さんお手製のつまみで晩酌をするのが最近の日課だ。
「在宅でも仕事の生産性が落ちないように、生活が乱れないようにと考えて、この生活リズムができあがりました。私は黙々と一人でする作業が多い仕事なので、夫との会話はいい息抜きにもなるんです」
なんとも規則正しく、理想的なリモート生活。に思えるが、真理子さんは負担を感じていた。
「仕事と料理の往復に疲れています」