新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた昨年、エンタメ界で一大ブームを巻き起こしたのが、韓流ドラマ『愛の不時着』だ。放送作家でコラムニストの山田美保子さんも、同作にどっぷりハマってしまったという。山田さんが、コロナ禍における『愛の不時着』の“功績”について綴る。
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東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に続いて7府県に2度目の緊急事態宣言(1月15日現在)。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。毎日午後3時に速報で出される東京都の感染者数は昨年末から超・高止まり状態。分母(=PCR検査の数)が増えたことが原因かと思いきや、陽性率は上がっているし、重症者数も多ければ、お亡くなりになるかたの数も増えてしまっているのです。
私はすでに立派な(!)高齢者。連日報じられている病床数をはじめとする「医療の逼迫」というニュースに怯えている自分もいるし、「これ以上ガマンできないかも」という想いが幾度となく襲ってくるのも事実です。
あれだけ取材に行かせていただいていたエンタメの“現場”が激減したこと。高齢者(しつこい)ゆえ、なるべく行かないようにと“自粛”しているため、コンサートや舞台での“ときめき”が激減していることは、確実に見た目を老けさせました。
これまで私はどれだけ生で観るエンタメに助けられていたことか。女優であり日本劇作家協会の会長さんでもある渡辺えりサン(66才)が主演舞台『喜劇 お染与太郎珍道中』の製作発表の会見で涙ながらにおっしゃっていた「生の演劇は精神を癒す」「コロナ禍だからこそ演じたい」「観に来て笑って泣いてほしい」というコメントには、もらい泣きしてしまいました。
実は今年になってから、迷いに迷って、稲垣吾郎サン(47才)主演の『No.9 -不滅の旋律-』と、メジャーデビューをした「7ORDER」の日本武道館公演には行かせていただきました。
両会場とかかわる多くのスタッフさんによる完璧な感染症対策に加え、私は二重にマスクをして、消毒スプレーや除菌シートを持参しての“参戦”となりましたが、やっぱり行ってよかった。配信とは異なる生の迫力と“キュン”を満喫してきました。私の周りの、1日に何箇所もの映画館や舞台のハシゴをする人たちも、「迷いに迷って」観に行った結果、「行って本当によかった」ことをSNSに上げていらっしゃいます。
とはいえ、それが叶わないかた、「どれだけ万全な感染症対策が行われていても、やっぱり、人が多く集まるところには怖くて行けない」というかたも多くいらっしゃるでしょう。そんなかたたちの“エンタメ愛”を救ってくれた最大の功労者ともいうべき作品が『愛の不時着』(Netflix)と言っても過言ではありません。
「2020ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10にタイトルそのものが選出された、まさに社会現象というべき配信ドラマ。受賞理由として挙げられた「新型コロナウイルスの“巣ごもり需要”の影響で動画配信サービスの利用者が増えたことで、韓流ブームが再燃」「特に主演ヒョンビンさん(38才)は女性に対し支配的ではなく、女性の生き方を支える自然体で理想的な人間性を体現した」に、心から納得させられたかたは多いと思います。
加えて、韓国ドラマならではの予測不能で非日常的な文字通りの“ドラマ”が、これでもかこれでもかと段積みになって出てくる。前述のヒョンビンさんとソン・イェジンさん(39才)のルックスは、韓流マニアの好みそのものだし、劇中の“ご令嬢”ファッションや、イベント時に着用したハイブランドも話題に。年明け、そのおふたりの4度目の交際報道が出て、ついに所属事務所が認めることとなったのですから、2度目の緊急事態宣言下、『愛の不時着』がさらに盛り上がる“お膳立て”は出来上がったような気がします。