King & Princeの岩橋玄樹やSexy Zoneの松島聡など、芸能人が相次いで休業した原因に“パニック障害”がある。ストレスなどが関係するため、コロナ禍での不安な日々は、発症しやすい環境といえる。
パニック障害は不安症の1つで、症状が突然起こり、内科などで検査をしても異常が認められないものをいう。
「ストレスを抱えながら不規則な生活をしている人がなりやすいといえます」(市ヶ谷ひもろぎクリニック理事長・渡部芳徳さん・以下同)
厚生労働省の患者調査によると、パニック障害の患者数は1999年から増加傾向にあり、18年間で約10倍に急増している。ストレスが発症原因の1つとなるため、コロナ禍は危険な環境といえる。
「発作が出る直接の原因は、脳内の神経伝達物質の機能異常です。特に神経伝達物質の1つであるセロトニンの減少が大きい。診断が確定したら、薬物療法と同時に、どういう場所や刺激で症状が出るかを探り、あえてその場に身を置いて体を慣れさせる暴露療法を行います」
運動不足や睡眠不足、偏った食事も発症の要因とされ、食事では、たんぱく質やビタミンB群が不足しないように心がける必要がある。
パニック障害をひとりで治すのは難しい。心当たりがある人はすぐに受診を。
パニック障害から立ち直った著名人たち
※()内は、発症や経緯などが報じられた出典元を示す
星野源(40才)
小学3年生の頃、いじめをきっかけに発症。精神科に通院し安定剤を服用したが、高校生になっても治らず、不登校に。(2014年2月23日放送TBS系『情熱大陸』)
中川家・剛(50才)
1998年に発症。先輩芸人・明石家さんまに「パニックマンになってコントを作れ」と言われ、楽になったという。(2019年2月5日放送NHK『クローズアップ現代+』)
長嶋一茂(55才)
プロ野球選手を引退する直前の1996年に発症。自殺衝動もあったが、引退後、極真空手など好きなことに打ち込むうちに症状が改善。(2016年1月22日サンケイスポーツ)
田中美里(43才)
『あぐり』(1997年/NHK)に主演後、23才で発症。五十嵐匠監督の手紙「あなたしかいないのだから、あせらずに」が復帰の糸口に。(2013年3月28日日刊ゲンダイデジタル)
IKKO(59才)
経営するヘアメイク事務所が多忙だった2001年に発症。テレビ出演後、症状が緩和。「どんだけ~」の指振りは手の震えから生まれたという。(2020年1月23日朝日新聞デジタル)
※女性セブン2021年2月11日号