国内

東大、慶應… 高学歴だからこそ簡単につまずき、立ち直れない現実

(写真/共同通信社)

大学入学共通テストの受験生たち(写真/共同通信社)

 国内で最高峰の大学といえば、言わずもがな東京大学だが、最近は「東大卒は苦労する」という声が少なくない。有名メーカーに勤務する管理職の50代男性は、東大卒の新入社員をこう評する。

「うちの会社では、新入社員は職場の掃除や資料の整理などの雑用を任されることもあります。東大卒のAくんは、『なぜ自分がこんなことをやらされるのか』と言いたげで、用事を頼むたび露骨に嫌な顔をする。だからといって仕事の即戦力になるわけでもなく、取引先からの電話への対応も無愛想で困ります。

 勉強は自分ひとりでやれば結果が出ますが、仕事はお客様が相手だということをわかっていないのでしょう。『あいつは東大卒なのに使えない』と陰口を叩かれています」

 こうした厳しい評価は、もちろん東大卒に限ったことではない。しかし、「東大ゆえの悲劇は多い」と、大手広告会社・博報堂の元社員で、ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは話す。

「世間では、東大を出ていたらさぞ優秀だろうと思われがちですが、もちろん東大卒でも仕事ができない人はいます。ところが各企業には『東大枠』というものが存在し、その業界に向いていなくても、東大生なら就職できるというケースが目立つ。その結果、東大卒の社員がちょっとミスをするだけで、『おまえ、東大のくせにそんなこともできないのか』と言われてしまう。

 東大に入る人間というのは、まじめで、ミスをしない人生を送ってきた人が多い。仕事で失敗して『バカ』なんて言われたら、人生でほぼ経験したことのない屈辱にショックを受けて心が折れる恐れがあります」

 東大生以外でも、「名門」と呼ばれる有名大学の出身者には、つまずくとなかなか立ち直れないタイプが珍しくない。慶應大学を卒業した山本茉莉香さん(仮名・28才)は、大学在学中に彼氏に二股をかけられたことから人生が狂い始めた。

「私が二股をかけられるなんて、というのが率直な気持ちでした。その悔しさもバネにして、彼氏を見返してやろうと就職活動をめちゃくちゃがんばったんです。ですが、行きたい企業はことごとく不採用。一体、私の人生はなんだったのだろうと、生きる気力を失いました。卒業後は実家に引きこもり、インターネットばかり見るようになった。いまは、SNS上のわずかな痕跡から書き込んだ人物の個人情報を特定する行為が生きがいになっています」

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン