コロナ騒動で鮮明になってきたのが、コロナを「怖がりすぎる人」と「ちっとも怖がらない人」の分断。その危機は夫婦間でも発生しているようだ。感染者数が少なかった1年前は、普段家にいないはずの夫がいることに不満を感じる妻も多かったが、感染者数が増えるにつれ、感染症への意識の差による衝突が目立ち始めている。40代公務員がいう。
「役所勤めでほぼ毎日出勤しているため、普段から手洗いと除菌は徹底していますが、妻の信頼がないようで。帰宅後すぐにシャワーを浴びないと、リビングに入れさせてもらえません。洗濯も妻とは別です」
別の男性は一度のミスで妻からの「手洗いチェック」が日課になった。
「手首まで洗ってなかったことで妻に『ちゃんと手首まで洗って!』と怒られてしまいました。おまけに、手を拭いたタオルが妻のものだったようで……これ以来、手洗いが監視されるようになりました」(50代、自営業)
良かれと思った行動も逆鱗に触れてしまう始末。
「不織布マスクだと呼吸がしづらく寒いので、保温効果もあるスポーツメーカーのウレタンマスクを買ったんです。すると、妻から『そんなので感染が防げると思ってるの!』と怒鳴られ、捨てられてしまいました」(50代、飲食業)
夫が妻よりも神経を使ってイライラしている逆パターンの家庭もあるだろう。夫婦間の温度差とどう向き合うべきか。夫婦・家族問題研究家の池内ひろ美氏が語る。
「妻が敏感な場合、夫は『妻の言うことを聞いておけば、感染のリスクを下げられる』と前向きに捉えたほうが、ストレスは減るのではないでしょうか。夫のほうが敏感な場合は、妻に頼らず率先して掃除などするようにしましょう」
夫婦協調は辛抱が大事か。
※週刊ポスト2021年2月5日号