もし、このままコロナが収束せず、東京五輪が中止となったらどうなるのか──。もっとも辛い思いをするのは、これまで研鑽を重ねてきたアスリートたちだが、同時に巨額の出資をした協賛企業、さらにマスコミも痛手を被る。
経済ジャーナリストの福田俊之氏は、今大会の特徴として、「新聞社」がスポンサー企業に名乗りを上げている点をあげる。朝日新聞社、読売新聞社、日本経済新聞社、毎日新聞社の全国紙4社がオフィシャルパートナーとなったほか、産経新聞社と北海道新聞社もオフィシャルサポーターに名を連ねる。
過去の大会では、新聞社が五輪スポンサーになることは中立・公正の観点から「避けるべき」とされ、例がない。朝日新聞社は昨年、9年ぶりの中間決算での赤字を発表、毎日新聞社は資本金を41億5000万円から1億円に「減資」して税法上の“中小企業”になったことが報じられた。
「新聞社やテレビ局は、五輪での広告収入を見越していたはず。この穴は簡単には埋められないでしょう」(福田氏)
それでも「中止」を報じる瞬間は訪れてしまうのか。
※週刊ポスト2021年2月12日号