国内

ヤクザとコロナ 「親分にうつしたらどう責任をとるか…」と幹部

コロナに戦々恐々?(写真は神戸山口組の井上邦雄組長、時事通信フォト)

もし親分にうつしたら…(写真は司忍組長。時事通信フォト)

 1月下旬、六代目山口組と分裂抗争中の神戸山口組系の幹部が亡くなったとの情報が、暴力団社会を駆けめぐった。新型コロナに罹患した60代で、基礎疾患があったというが、組員たちには動揺が広がった。

「コロナにかかったヤツは全国の組織にいるが、命を落としたという話は初耳。根拠なく、ヤクザはしぶといと思い込んでいた」(山口組系幹部)

 実際のところ、この幹部がコロナ感染により死亡した初めての暴力団員なのかは、警察関係者に聞いてみても確認は取れなかった。

 ただ暴力団組織の上層部はどこも高齢化が顕著だ。六代目山口組の司忍組長は79歳、神戸山口組の井上邦雄組長は72歳で、他の組織トップも年齢に大差はなく、ナーバスになっているのは間違いない。末端組員がもしコロナに罹患すれば、上部団体に報告せねばならないだろう。

「コロナ対策はしているが、もし親分にうつしたら大事になる。後遺症が残ったり死亡したらどう責任を取るか……指など詰めてもどうにもならない。場合によってはその団体の名跡が消滅しかねない」(同前)

 年末の12月13日、西日本の暴力団組織では、正月を先取りした事始式が執り行なわれ、直参組長が勢揃いして親分に挨拶するのが慣例だ。しかし六代目山口組をはじめ、事始式を中止した組織もあった。新たな若い衆が誕生し、盃を結ぶ場合は、盃事のセレモニーをするが、可能な限り回数を減らしているという。

「事務所に行く際にマスクをするのは当然。入口では体温チェックもあり、入念に手をアルコール消毒している。オヤジの部屋に入る時はもう一度検温とアルコール消毒を行なう徹底ぶりだ」(関東の老舗博徒一家組員)

 二度目の緊急事態宣言以降は、ほとんどの組織で盃や挨拶訪問、幹部会などの会合を中止している。なかには実話誌の“写真映え”を意識してかマスクを着けない幹部もいるが、一方で、ある組織の親分は身の回りの世話をする組員数名と、自宅に“籠城”しているとも聞く。最も感染者の多い東京では、警察署がクラスターになった例もある。

「警察署が一番信用できない。何があっても、いま捕まるわけにはいかない。若い衆には、パクられるような下手を打つなと厳命している」

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン