芸能

萩本欽一が語る亡妻・澄子さん 唯一のデートは畑を歩いた10分間

萩本欽一は妻・澄子さんの死とどう向き合うのか

萩本欽一は妻・澄子さんの死とどう向き合うのか

 コメディアンとして芸能界の頂点に上りつめた萩本欽一(79)だが、半世紀にわたって連れ添い、彼を支え続けた妻の存在は知られていない。名は澄子さん。その最愛のパートナーが、半年前にがんで亡くなった。欽ちゃんは、妻の病、そして死にどう向き合ったのか──コラムニストの石原壮一郎氏が聞いた。

 * * *
 そう言えば、スミちゃん(澄子さん)はもういないんだよね。去年の8月に82歳で亡くなって、もうすぐ半年になる。でも、あんまり実感がない。自宅に帰れば、今までどおりの調子で「あら、久しぶりね」なんて言ってくれる気がする。そんな顔しか思い浮かばないんだよね。

「雲の上のまた上」の女

 がんが見つかったのは、4年前。そのときはお医者さんに「あと半年ぐらい」って言われたんだけど、がんばってくれた。あんまり急だと、ぼくも3人の息子たちも、心の準備が間に合わないって思ったのかな。

 亡くなる前の1週間ぐらいは、もうスミちゃんは言葉を口にできなかった。だけど、大事なことをいっぱい話せた気がする。長いあいだ夫婦をやってても、最後の最後にならないと、話せないことってあるんだね。

 スミちゃんと出会ったのは、ぼくが浅草の東洋劇場に入った60年ぐらい前。3つ年上のスミちゃんは、一番人気の踊り子さんだった。新人のぼくにとっては、目を合わせるのも恐れ多い「雲の上のまた上」にいる存在だった。

 そっからは話すと長いけど、無名時代のぼくはスミちゃんにとってもお世話になった。でも、ぼくがコント55号で有名になったら、スミちゃんは浅草から姿を消しちゃったんだよね。

 どうにか見つけ出して、やがて子どもができたら、またいなくなった。記者会見を開いて「じつはぼく、結婚してます。子どももいます」って発表したのがプロポーズ代わり。

 スミちゃんは「芸能人の奥さんなんてなりたくない。いい迷惑よ」って嫌がったんだけど、頼み込んでどうにか結婚してもらったの。

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン