新型コロナウイルスの感染が終息しない状況の中、始まった2021年の冬ドラマ。三密にならないロケ場所探し、撮影時間の短縮などと、苦労する点も多いというが、そんななかでもスタッフたちは「妥協したくない」という思いで取り組んでいるという。
コロナ禍で病院ロケができず、医療ドラマが姿を消した中、果敢に挑戦したのが『にじいろカルテ』(テレビ朝日系・木曜21時)だ。舞台は山奥の小さな村にある診療所で、ヒロインの高畑充希(29才)は医師であるとともに自身も重病を抱える「患者」でもあるという設定だ。
「同じテレ朝の木曜21時枠『ドクターX』のアンチのような主役で、雰囲気はまるで大ヒットバラエティー番組『ポツンと一軒家』。まさにテレ朝の財産をおちょくるような企画で、局内では批判の声もあります。でも、NHK朝ドラ『ちゅらさん』や『ひよっこ』を手がけた脚本家・岡田惠和さんが初めて挑戦する医療ドラマで、プロデューサーが『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)を手がけた貴島彩理さんということで期待の声の方が大きい。主題歌を歌う藤井風にも注目です」(テレビ朝日関係者)
その一方で、女優魂を見せつける作品にも注目が集まっている。
深夜枠ながらも、多くのテレビウオッチャーたちから絶賛の声が上がったのは『その女、ジルバ』(フジテレビ系・土曜23時40分)。結婚相手に恵まれず、会社でも肩身の狭い思いをしている40才のOL(池脇千鶴・39才)が、熟女バーでアルバイトを始めたことで、少しずつ変化が起き始める。テレビ評論家・吉田潮さんも、高く評価している。
「むくんで疲れ果てた風貌の池脇さんが、多くの人の心を掴みました。何十万人もの女性が“これは私だ”と思ったに違いありません。若さ礼賛の日本ドラマ界において、40前後の女性を元気づけてくれる。それにママ役の草笛光子(87才)のカッコイイこと!」
現場では、池脇の役作りの徹底ぶりも話題になっている。
「池脇さんがシーンの成り行き上、急に自転車に乗ることになったのですが、“私、自転車に乗れない”と言って嫌がり、その日は撮影ができなかった。ところが、練習してきたのか、別の日には完璧に乗りこなし、無事に撮影できました」(ドラマ関係者)
もう1人、注目を集めているのが、池脇の会社の同僚役の江口のりこ(40才)。
「江口さんは『俺の家の話』(TBS系)にも出演していて2作品同時進行中。ブレークのきっかけになった『半沢直樹』(TBS系)と前クールの『#リモラブ~普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系)にも出演していましたから、超売れっ子状態。どんな役にもなれるし、全然偉ぶらないから声がかかるのも納得です」(前出・ドラマ関係者)
※女性セブン2021年2月18・25日号