女性蔑視発言で国内外から批判を浴びている東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)。翌日の釈明会見で「不適切な表現だった。反省して撤回したい」と謝罪したものの、責任を追及する記者の質問に開き直る姿勢を見せ、さらなるバッシングを受ける結果になった。
そんな森氏の言動に対して、あの“男”が口を開いた。日本ボクシング連盟第12代目会長で、2018年の会長辞任騒動の際には、強烈なキャラクターが話題になった山根明氏(81)だ。サングラスにハットのお馴染みのスタイルでこう語る。
「俺は売られた喧嘩は命を懸けて受けてきたが、相手が“山根明でやりにくい”というだけで、こちらから上から目線でふっかけたことはない。森さんは総理大臣までやった方ですからね。失言があったと自覚したのなら、男らしく“申し訳なかった”と頭を下げなアカンと思う。俺ならそうしたね」
山根氏は「アマチュアボクシング界のドン」として、「五輪のドン」の森氏と接点があった。
「競技団体のトップが集まるパーティで2度ほどお目にかかりましたが、その時の周囲へのもの言いを聞いていると、今回の発言も彼の中では悪意がなかったのかもしれんね。あれはあの人のクセやね。“森喜朗という存在感”を出しとるというか。俺はどんな場所でもこのスタイルやから面と向かって何も言われなかったけれど、言われた側は苦笑いするしかない。相手のキャラクターをわかっていても、傷つく人もいる。
森さんは悪いところばかりじゃない。競技団体のトップから見ても、いろんな面でスポーツのために貢献してきた。だけどあの発言が女性蔑視だったことは事実。俺に言わせれば、五階(誤解)も六階もない。失言があったんやから、それに関しては“申し訳ない”“口が過ぎた”と潔く謝り、言い訳をしない。あの会見は格好良くなかったね」
山根氏は森氏と2歳違い。日本ボクシング連盟会長辞任に至る一連の経緯では、約2か月間にわたってマスコミから批判を浴び続けた。「五輪のドン」に同情的な気持ちはあるのだろうか。