2021年のプロ野球キャンプは史上初の無観客開催となった。昨季のセ・リーグ覇者・巨人のキャンプにおける話題の中心は、15年ぶりの「出戻り」となった桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)だが、絶対的エース・菅野智之(31)との関係は微妙なようだ。野球評論家の江本孟紀氏も懸念を口にする。
「菅野は自分の理論を持っているので、桑田の役割が中途半端にならないか心配ですね。これもいい効果を生めばいいが、逆効果となる危険がある」
すでに火種はある。キャンプ直前のスポーツ報知(1月27日付)のインタビューで桑田コーチは「(先発投手には)135球は投げてもらいたい。5、6回で降りるようでは先発の責任は果たせていないと思う」と発言。菅野でも平均が108.85球だったことを聞くと「嘘でしょ」と絶句した。
さらに、桑田コーチは「今の時代の投手は球種が多すぎる」と、変化球の“量”より“質”を求める方針を掲げたが、菅野は「(桑田コーチに)カーブを教わって投球の幅を広げたい」と、かみ合わない。
「これまで菅野にアドバイスできたコーチは斎藤雅樹さんぐらい。それでも原(辰徳)監督が桑田さんを起用したのは、メジャー再挑戦を目指す菅野のモチベーションにつながると考えたから。しかし、菅野はすでにメジャーで成功したダルビッシュ有や前田健太に話を聞いている。桑田はメジャーでは未勝利ですからね……」(在京スポーツ紙デスク)
※週刊ポスト2021年2月19日号